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農政・農協ニュース

米輸入の削減・廃止こそ農民の願い
農民連が米政策で提案  (8/12)

 農民運動全国連合会(佐々木健三会長、会員約4万人)は8月12日、米政策の見直し方向についての見解と提案を発表した。
 農民連は、現在、農民のもっとも切実な願いは米価の回復や減反の解決など、「農民経営の継続が保障される米政策の確立」にあると指摘。また、消費者も安全、安心で信頼できる国内産米の安定供給を強く願っていると強調し、政府の生産調整研究会中間とりまとめは、こうした農民や国民の願いに相容れないものだと批判している。そのうえで中間とりまとめの撤回と農水省と与党を中心に進められている具体化作業を中止するよう求めた。
 また、中間とりまとめは、米価下落、減反拡大など「現在の米政策が続けば、果てしない生産縮小のサイクルに入る」という認識に立っているが、その政策は文字通り政府・与党が進めてきた政策であり「失政を棚上げにしてその犠牲を農民、国民に押しつけている」としている。
 具体的には(1)ミニマム・アクセス米の削減と廃止し、減反面積を90年代初頭の水準に戻す、(2)米価を回復させるための値幅制限の復活、(3)不足払い制度など価格保障の充実、(4)稲経の抜本的な改善(生産費をもとに基準価格を決め実際の米価との差額を補てん。補てん割合は10割、財源の全額政府負担など)、(5)計画流通制度の廃止に反対、(6)回転備蓄から棚上げ備蓄へ、などを提案している。
 また、生産調整の数量配分については、「米を一粒でも多く収穫したいという生産農民なら誰でももっている願いに逆行し生産意欲を決定的につぶすもの」とし、強制的な減反も行うべきではないとしている。
 農民連では各地域でJA、農業委員会、行政にこの提案を申し入れるなど今後運動を進めていく方針だ。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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