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農政・農協ニュース

地権者協定で農地転用も
農地法など改正へ (9/11)

 耕作放棄やスプロール開発で農地が産廃捨て場などになっていくが、農地転用が多い現状では規制の強化が難しいとして農水省は、国の法規制よりも市町村条例を基本にした土地利用調整に移行する方針だ。
 市町村が条例を定め、土地利用計画をつくり、その中に転用を許可しない農地保全区域を指定。それ以外は農振地域や農地法などの規制をはずして多様な土地活用ができるようにする。 ただし日本の原風景ともいえる里地・里山の景色を壊さない範囲での土地活用という枠を設ける。つまり農山村の魅力を守り、育てる活用を図る。
 同省は有識者懇談会を設けて「農山村の土地利用の枠組み構築」を検討。報告をもとに農業団体の討議にもかけて一括整備法案をまとめ、農業構造改革3法案の一つとして来年の通常国会に提出する。
 懇談会の論点整理によると、住民参加の土地利用計画づくりを基本に、例えば、土地所有者が小学校区や集落ごとにまとまって、農地保全区域と転用区域を区分する協定を結ぶ手法などを取り入れる方向だ。
 また、転用の権利を市町村に譲渡する契約を結び、地権者個々の意思だけでは転用できないようにするとか、地権者の合意で転用緩和を目ざすケースがあるため、優良農地の確保には農振法に適合した条例づくりが必要との意見も出た。
 農業をしたい都市住民が農地を求めても農地法で許可されない場合が多かったが、協定で転用区域とすれば売買や賃貸ができるように見直す。参入者の耕作放棄などを防ぐため協定、契約の内容に違約金や契約解除などのペナルティを定めておくとの考えもある。
 農地法の耕作者主義を確保する手法では考え方が分かれ、転貸目的での権利取得を防ぐ耕作要件や下限面積など問題が多い。
 法案は「食と農の再生プラン」が掲げた「農業や農地への多様な関わり方を可能とする」もので「都市と農村の共生と対流を促進するための農地の保全と利用に係る法律」という長々しい仮称になっている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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