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農政・農協ニュース

生産集団を軸に記帳運動を本格化
全中が安全・安心へ 「自主行動基準」素案 (9/18)

 安全な農産物づくりに向けて生産工程を記録する記帳運動などを起こしていくための「自主行動基準」素案をJA全中が9月18日明らかにした。生産者は肥料、農薬を種類別に、いつ、どれだけ使ったかを栽培と防除の日誌に記帳し、また収穫出荷日誌もつける。行動単位は各作物別の生産部会を中心とし、部会とJAは日誌を点検する。こうして作物の履歴をたどれるようにし、それらの情報を公開するという考え方だ。
 生産基準や資材リスト、工程図などは各生産部会で整える。日誌は農家が記帳しやすく、また取引先や消費者が検証しやすい様式例を作る。すでにJA全農が安全防除運動を実施しているが、これを組織化し、幅を広げて生産集団で安全を担保する形となる。このためグループ化も進める。
 JA全中の経済事業刷新委員会は先の中間とりまとめで「どこかのJAが問題を起こすと、すべてのJAと生産者が消費者から疑われる。だから危機意識を持って(安全・安心)問題に取り組むべき」とした。
 これを受けて18日の第5回刷新委に基準素案を報告。同委の検討と組織協議を経て11月の全中理事会で基準を決める。
 これは安全安心への行動を消費者に約束し、また生産基準に沿わない農産物はJAグループで取り扱わないということになる。
 行動基準の対象範囲はJAグループの営農・経済事業関係の役職員と、農産物加工などの協同会社の役職員とした。農業者には協力を呼びかける。また行動基準をもとにJAと連合会ではより実践的な基準を設けることが望ましいとした。
 素案は、記帳は資材使用の合理化につながってコスト節減に役立つと説いた。 無登録農薬対策では、全JAで自主点検し、結果を9月中に公表する。
 残留農薬は産地ごとにモニタリング検査をする。
 JAグループの「安全システム」などの認証機関は第三者機関化する。
 教育研修では、営農指導員などを対象に生産工程管理・記帳運動の普及推進員を増やすためのインストラクターを養成する。
 加工・流通の品質管理では、大規模施設は5年間にHACCP(危険度分析による衛生管理)やISO9000(品質管理の国際規格)シリーズの取得条件づくりをする。小規模施設には品質管理責任者を置く、などが素案の主な内容。


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