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農政・農協ニュース |
高温障害の乳白粒発生に懸念 |
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9月15日現在の今年産水稲の作柄は「平年並み」または「やや良」が見込まれると農水省が27日発表した。全国平均の作況指数は101(10アール当たりの平年収量対比)で、収量は528キロを見込む。昨年は最終的にも103だった。
作付面積は169万3000ヘクタールで、前年産に比べ1万8000ヘクタール(1%)減少した。現在、需給調整水田で青刈りをしているため、これが済めば実質的な最終作付面積はさらに減る。昨年は当初の転作面積に1万ヘクタールの青刈りを上乗せした。 地域別では北海道の作況指数が最も低く94で「不良」。8月の低温と日照不足から登熟不良となった。また青森と秋田も同じ理由で98の「やや不良」。一方、台風15号被害の鹿児島と、同15号によるフェーン現象のため福井も98となった。 今年の特徴は、関東以西で猛暑のため米粒に白い曇りが出る乳白粒が発生していることだ。これは検査で被害粒とされ、等級が落ちるため生産者の経済的マイナスとなる。日本では冷害研究は進んでいるが、高温障害の対策はこれからという段階だ。 関東以西では9月15日以後も2年続きの高温傾向にあり、地域によっては乳白粒などの登熟障害粒や胴割れ米などの発生が見られ収量と品質への影響が懸念されるとの意見を水稲作況委員会が出している。 また同委員会は北海道、青森、秋田では低温と寡照による発育停止モミの発生と粒の肥大の良否などに注意をするようにと呼びかけている。 都道府県別の作柄と作況は▽やや良(102〜105)22都県▽平年並み(99〜101)20府県▽やや不良(95〜98)4県▽不良(91〜94)1道。 |