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農政・農協ニュース

無登録農薬の追放運動展開
JA全青協 (9/11)

 JA全青協は「買わない、使わない」という「無登録農薬一斉追放運動」を展開する。農家に在庫がある場合は「追放」を徹底するため、各自の処分に任せないでJAか行政を窓口にした適正処分の体制を整備するよう働きかける。こうした要望をまとめて門傳英慈会長らは9月11日、JA全中に申し入れた。
 無登録農薬を使った農家が一軒でもあれば風評被害が産地全体に及ぶ。そうした経済損失を想定したJAグループの支援策として低利融資や共済掛金の猶予なども要請した。
 国の責任であるBSEなどと違って使用者責任が問われる問題であるため全青協は9月11日、臨時の都道府県組織委員長会議を開き、緊急対策を決めた。
 問題発生は農業者として「慙愧(ざんき)に耐えない事態」とし「全国のJA青年部自らがエリを正していくことが肝要」とした。 具体的には無登録農薬を一斉追放し、また、それを使ったほ場の農産物は出荷停止の断行で流通させない姿勢を徹底する方針だ。
 さらに正しい農薬知識を再度習得する機会を設け、JAグループが進める「生産工程管理・記帳運動」を通じ「安全」に取り組む。 一方、農薬メーカーは登録コスト負担を避け、生産量が少ないマイナー作物用農薬などは無登録となっているため、登録推進に向けた検査体制や法制度の見直しを行政に働きかける。
 この日は対策の協議に先立ち全農の担当者らから農薬適正使用の話を聞いた。 そこでは「メイン作物用の農薬をついでにマイナー作物にも散布してしまうことがある。対象外でも収穫前何日までなら使用してもよいという説明がほしい」などの発言もあり、使いやすい農薬を望む現場の意見が各委員長から出た。
 また門傳会長は「盟友に呼びかけて農薬の安全性を消費者の集まりなどで積極的に説明してほしい。科学的根拠のない消費者心理に遠慮していてはいけない」と強調した。


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