JA改革が進む中で「農協が独禁法適用を除外されているのはけしからん」などといった間違ったJA批判も出ているため、JA全中は3日の理事会で「認識を改めさせる」取り組みを強めることを決め、適用除外の見直しに反論する「主張」をまとめた。
これによると、独禁法は経済的弱者が団結の力で大企業と対等に交渉することを認め、JAの事業では(1)肥料など生産資材の共同購入(2)農作物の共同販売(3)出荷調整や生産調整などが適用を除外されていると、法の趣旨や措置を指摘した。
一方、不公正な取引方法や、競争の制限で不当に対価を引き上げることになる場合には適用されて、これまでもJAの違反が発生しているとし、また農村には商社、業者、ホームセンターなどが進出し、相当激しい競争が展開されているとの実態も指摘した。
そして適用除外が撤廃されると▽共同計算▽運賃プル計算▽生産・出荷調整▽調整保管▽価格交渉などが困難となり、協同組合の本質を否定することにつながって農業者の大きな不利益となるから、撤廃は断じて認められないとした。
なお政府の経済財政諮問会議では経済界の委員から農協の事業について「商社はほとんど入れず、利益で農協の一人勝ちになり、農民は保護に頼っている。この意味で農協が独禁法の適用除外になっているのも問題」などの発言があり、竹中平蔵経済財政・金融担当相も「農協については、独禁法の適用除外が問題ではないか」とまとめた。
農水省の「農協の営農・経済事業のあり方研究会」でも武部勤前農相は「独禁法問題もタブーにしない」と述べ、同研究会で議論することになっている。