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農政・農協ニュース

生産調整早期廃止案は選択肢から除外
−生産調整に関する研究会が再開―(10/17)

 10月17日、「生産調整に関する研究会」が再開され、第8回全体研究会が開かれた。
 この日は6月末の「中間とりまとめ」で示された検討項目について、農水省が考え方を示した。
 同省は、米政策の改革の方向とステップについて以下のような4つの類型を示した。
 第1類型は「需給調整システム改革先行型」。16年度に生産調整の配分を廃止し、需給調整は農業者、農業団体がどの程度行うのかを判断する。助成措置は、担い手農業者対策、産地づくり対策などになるとした。
 この方向については、主体的な経営判断がもっとも活かされ需要に見合った米づくりが実現するつ評価。ただし、需給が大きくゆるみ、米価の急激な下落が懸念されるとしている。
 第2類型は「経営判断を重視した併行改革型」。生産者の経営判断を重視しながら生産構造改革を推進。目標年次を明確にして生産調整の配分を廃止する。当面は農業者に生産数量と面積を配分。助成措置としては、生産調整のメリット対策と産地づくり対策。
 この方向については、主体的な経営判断を活かすことができると評価。セーフティネットは、生産調整参加者を対象にした米価下落の影響緩和措置に力点を置くとした。
 第3類型は「地域主体性を重視した併行改革型」。地域の自主性を重視しながら生産構造改革を推進。生産調整の配分は目標年次を明確にして廃止。当面は農業者には生産数量と生産面積を配分する。また、助成措置は、地域の特色ある水田農業の展開を促進するための産地づくり対策とし、米価下落時に影響緩和策を講じるかどうかは地域が主体的に判断するとしている。
 このタイプへの評価は、地域における十分な話し合いが必要だとし、セーフティネットは地域の実情に照らして判断することになるとしている。
 第4類型は「生産構造改革先行型」。
効果的な需給調整を進めながら生産構造改革を推進。生産調整については、「状況をみながら、配分の廃止の是非や時期を判断」するとしている。
 この方向については、実効ある生産調整に力点を置きすぎた場合、構造改革を促進することが難しいことや、政策的経費が増える可能性があると指摘している。また、セーフティネットの充実よりもそれが必要とならない状況づくりに力点を置くことになるとしている。

●第1類型にJAグループが反論 

 農水省が示した改革案のうち、とくに直ちに国による生産調整を廃止するという第1類型について「中間とりまとめにはない方向」、「生産調整は必要だ」などおもにJAグループの委員から反論が出された。
 これらの発言を受けて生源寺眞一座長は第1類型は今後の議論の選択肢としないことを明らかにし、終了後の会見でも「国が直ちに関与をやめるのは常識的にありえない。中間とりまとめの方向ではない」と語った。また、今後の議論では、残りいずれかのタイプを単純に選択するのではなく研究会として改革の方向を検討していく方針だとした。10月24日までの各委員がこの日示された案についての意見・質問を提出し、11月1日の第9回生産調整研究会で議論する。
 
 
 


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