JACOM ---農業協同組合新聞/トップページへジャンプします

農政・農協ニュース

外国産は国産の5倍
JAS認定の有機農産物 (11/6)

 検査認証制度に基づく有機農産物は国内総生産量のわずか約0.1%に過ぎないという平成13年度の実績を農水省が30日発表した。その中で緑茶(荒茶)だけは高く1.1%だった。
 JAS(日本農林規格)法により登録認定機関がまとめた格付け数量報告を公表するのは今回が初めて。
 これによると有機農産物の格付け実績は合計約3万3000トン。代表的な品目では野菜が約2万トンで総生産量の0.13%、果樹が1400トンで0.04%、コメ約8000トンで0.09%、大豆約1200トンで0.43%。
 これに比べ外国で日本の制度に沿って有機農産物に格付けされた総量は約15万4000トンとなり、日本の5倍にのぼった。品目別では野菜約2万6000トン、大豆6万1000トン、コメ3000トン。
 海外では、中国など現地に置かれた日本の登録認定機関からJAS認定を受ける農家が増え、有機JASのマークを貼って日本へ輸出している。また日本と同等の制度に基づいて認定を受けたEU15ヶ国、豪州、米国の農家が各国政府の証明書を付けて、輸出するシステムもある。
 有機緑茶は日本の13年度格付け数量が約930トンだが、外国での格付けも93トンあって、全体として今後、海外からの多品目にわたる有機作物攻勢が強まる傾向にある。
 しかし、これらの数字は認定機関のまとめであり、地場消費や在庫なども含まれているため日本への輸出数量そのものではない。
 一方、国内の有機農産物加工食品は総量約9万4000トン。外国品は約9万8000トンで、これも外国製のほうが多い。
 製品別では飲料が外国産約6万5000トンに対し国産は約4000トンに過ぎない。冷凍野菜は約1万2000トンに対し約1100トン。
 数量の多い国産品は有機豆腐が群を抜いて約4万4000トン、有機納豆約1万100トン。これに醤油と緑茶(仕上げ茶)の計4品は外国での格付けがゼロだが、有機みそは国産約2000トンに対し外国産が300トン近くある。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
webmaster@jacom.or.jp