| |||
農政・農協ニュース |
消費者への「約束」 |
|
11月7日のJA全中理事会はJAグループとしての「安全・安心な農産物供給のための自主行動基準」を決めた。
JAグループ内での食品偽装表示事件や無登録農薬問題など、食の安心・安全の確保が大きな課題となっているなか、これに対応するためのJAグループ全体の行動基準として決めたもの。対象はJAグループの役職員と農産物の流通、販売、加工にかかわる協同会社の役職員としている。 このなかで、JAグループは「農業者の協同活動を通じた所得確保を目的」とし、その実現のために「農業者と消費者の掛け橋となる役割を発揮」することを改めて明記。 そのために、△生産段階での安全性の確保、△流通・加工段階での品質管理の実践、△消費者への適正な情報提供とコミュニケーションの充実、△法令などの遵守と社会倫理に沿った事業展開に取り組むとしている。 具体的には、農業者が生産工程を記録しJAがその情報を点検・管理し開示していく「生産工程管理・記帳運動」に取り組むことと、その実施状況を検証するための「内部検査委員会」の設置、残留農薬分析などを進めるとしている。 また、JAグループ独自のトレーサビリティ・システムである「安心システムの推進」も盛り込んでいる。 表示の適正確保では、実質的な根拠がないにもかかわらず、機能・効果を強調するような表示の改善を図るなど、優良誤認が生じないよう取組みも進めるとしいる。 また、消費者とのコミュニケーションの充実のため、「消費者相談窓口」を設置し、担当者の教育・研修、さらに苦情や相談が経営トップや担当部門の速やかに報告される体制をつくるとしている。 コンプライアンス態勢については、法令の理解促進もちろん、「協同組合運動の基本的な定義・価値・原則(自主、自立、参加、民主的運営、公正、連帯など)に基づいて行動することを明記。また、業務を実行するうえで、その行為が「農業者や消費者を裏切らないか」「家族に正直に話せるか」などを問うことや、判断に迷った場合は、経営トップに情報が伝えられる「ヘルプライン」を整備するとしている。 この基準は、消費者、学識経験者などもメンバーとなっている「経済事業刷新委員会」がJAグループが安全、安心な農産物提供を行うため6月に行った「中間とりまとめ」での指摘を受けて作成した。 JA全中では、自主行動基準は「JAグループから消費者等への“約束”であり、それを誠実に実行することはJAグループの責務である」として、同基準の着実な実践の促進と、実践状況のモニタリングを行うシステムを確立するとしている。 |