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農政・農協ニュース

期待の「ジェイエース」がいよいよ登場
「生産資材費用低減運動」に弾み――JA全農 (11/13)

あいさつする北本常務
あいさつする北本常務
 JA全農は11月13日、大型園芸用殺虫剤アセフェートの特許切れ(ジェネリック)農薬『ジェイエース粒剤』が10月31日付けで農薬登録を取得、平成15農薬年度より販売開始することを明らかにした。丸紅、興農(台湾)との共同開発によるもので、JA全農が自らジェネリック農薬の農薬登録を取得し、製造、販売まで一貫して担うのは初めてのことである。「生産資材費用低減運動」に弾みがつくものと大きな期待が寄せられている。
 『ジェイエース粒剤』の有効成分であるアセフェートは、アブラムシ類、鱗翅目害虫などの幅広い害虫に卓越した効果を示す有機リン系の殺虫成分で、水溶解度が高く作物体への浸透移行性に富むため、作物によっては定植時植穴処理のみならず、生育期株元散布や葉面散布などの簡便な方法で施用することが可能な非常に汎用性が高い殺虫剤。
 ジェイエースとイメージキャラクターの黄門さま
ジェイエースとイメージキャラクターの黄門さま
 昨今の農業を取り巻く環境はますます厳しくなっており、組合員農家から低コスト資材を求める要望は強い。JA全農では、1995(平成7)年より「生産資材費用低減運動」に取り組み、この具体策の実践として、肥料ではアラジン、農薬では共同開発した水稲用除草剤「MYー100」(オキサジクロメホン)混合剤などの低コスト資材の開発・普及に取り組んできた。さらに、JA全農は農薬価格引き下げの有効手段として特許切れ農薬の開発を進めている。アセフェートは、1995年のマンゼブ(商品名「ペンコゼブ」)に続くジェネリック農薬の第2弾だが、自らジェネリック農薬を開発したのは初めて。
 アセフェート剤としては、アリスタライフサイエンス(株)の「オルトラン」が先行しており、その市場は約80億円と見られている。JA全農では、水溶剤への剤型の拡大(申請済み)および適用作物の拡大(11月5日申請済み)を早急にはかり、組織をあげた確かな技術普及体制でのぞみ、3年後にはアセフェート剤市場におけるシェア30%(約25億円)を目指していく。
 なお、JA全農によると、『ジェイエース粒剤』の注文は12月2日(月)より受付をはじめ、出荷については2003(平成15)年1月下旬以降となる見込み。さらに、普及展開の一環として、来春には水戸黄門をキャラクターとした大々的なキャンペーンも予定されている。
<問い合わせ先>
 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-8-3 JA全農肥料農薬部 農薬推進企画課まで。
 電話 (03)3245-1025 FAX (03)3245-7444


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