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農政.農協ニュース

農地制度で論点整理
―農水省の有識者懇談会 (12/03)

 農水省は、「食と農の再生プラン」に基づき法人化の推進や農地利用集積の加速化などの観点から農地法の見直し作業に着手するため、有識者懇談会(農水省経営局長のアドバイザリーグループ)を設置し議論を行ってきたが、11月に懇談会が論点整理を行った。概要は以下のとおり。
 ●農地の権利移動規制のあり方−耕作者主義については「見直しが必要」と「維持が必要」の両論併記。土地利用規制、農地転用規制の強化の重要性を提起。都市住民などの農地取得、利用については「推進、緩和が適当」と「規制緩和等の必要性は低い」の両論を併記。
 ●農業生産法人制度のあり方、要件緩和−制度の見直しは「適当または許容」と「困難または不適当、問題」の両論併記。農業生産法人のあり方については、今後、一定の時間をかけて検討。「要件緩和」は実態、留意事項をふまえた検討が必要。
 ●農地の流動化対策−認定農業者等の観点に立った農地の面的集積のための実効性ある取り組み強化が必要。農地保有合理化事業の賃貸借や作業受委託の重視、事業実施の迅速化が必要。
 ●耕作放棄地の防止・解消対策、農地の有効利用対策−適正耕作の義務の明確化、事後的なチェックや政策誘導措置の強化が重要。
 ●構造改革特区の活用−長期的な農地としての有効利用の観点からの対策が必要。構造改革を目的として地域特性の追求手法として期待できる。耕作者主義で対応が困難な地域での農地法の例外的な規制緩和の場合の地域要件の設定、地域経済への貢献、担い手政策との整合性、市町村等への貸付け方式への限定、事後的なチェックと評価の仕組みが必要。
 有識者懇談会では、今回の論点整理が農地制度検証の出発点であり、耕作者主義、農業生産法人制度、転用規制などはさらに本格的に検討し議論を提起していくとしている。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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