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農政.農協ニュース

厳しい環境下、健全経営を維持
――JA共済連14年度上半期実績 (12/5)

◆支払い余力713%に

 JA共済連(新井昌一経営管理委員会会長)は、11月26日、14年度上半期(4〜9月)の業績を発表した。
 これによると、長期共済新契約高は16兆3671億円(保障金額)で前年同月比101.7%、年金共済は1182億円(年金額)で同125.8%、短期共済は2255億円で同101.9%と堅調に推移している。長期共済保有契約高は、384兆7503億円で13年度末から0.7%の純減となっているが、これは満期共済の増加によるものとみられており、今後の満期対策としてのニーズ喚起が課題となる。
 総資産は、13年度末より3.0%増の40兆3122億円と40兆の大台を超えた。このうち運用資産は39兆1129億円で、13年度末より2.9%の増加となっている。
 生保(共済)会社の経営体力をみる主な経営指標をみてみると半期基礎利益は1668億円となっている。基礎利益は、共済契約の月別保有契約高の状況から、上半期基礎利益が通期の半分を下回る傾向がある。しかし、通期では、運用環境の悪化や保有契約の減少から13年度の4693億円を下回る可能性があるとJA共済連ではみている。
 実質純資産は、金利の低下によって公社債の評価益が増加したこともあり、13年度末よりも6132億円の増加の6兆3807億円となった。
 ソルベンシー・マージン比率(支払い余力)は、13年度末より16.1%アップの713.0%となった。

◆株価下落などで苦戦する大手生保会社

 同日に発表された生保大手10社の上半期実績をみると、日本生命(3.86%)以外の各社は4〜7%前後の高水準の解約・失効(JA共済は2.38%)、新規契約の伸び悩みから保有契約高が大同生命(0.4%増)、富国生命(0.2%増)以外は純減し、10社合計では1.9%の純減となり、6期連続で純減することは確実だとみられている。このため、保険本業の利益を示す基礎利益も5社で前年同期より減少、全体では0.2%減少している。
 さらにこの半年間で株価が15%も下落(日経平均株価)したために、13年度末には10社合計で1兆8811億円あった株式含み益が、9月末には87%減少し2310億円となり、6社が合計で1兆円弱の含み損を計上した。
 こうしたことから、ソルベンシー・マージン比率は、健全性の目安である200%は各社とも大きく上回ってはいるが、日本生命、第一生命など7社が、含み益の落ち込みなどから13年度末よりも低下している。

◆JAの総合力発揮するとき

 これに対してJA共済は、満期対策や解約・失効防止に向けた取り組み強化が必要だが、運用資産に占める株式の割合が1.5%と低く、株価下落の影響が少ないこともあって、ソルベンシー・マージン比率が、大同生命(824.9%)、太陽生命(789.0%)に次ぐ水準にあるなど、健全な経営状況にある。下半期も上半期同様に厳しい状況が続くものと予測されるが、こういうときこそが、地域に密着したJAの総合事業の底力を発揮してJA共済を伸展する機会ではないだろうか。

 



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