小売店が食品を仕入れる際に一番注意する点は「期限や保存方法の表示」と回答した企業の割合が最も高く、次いで「外観と鮮度」「食品の温度」と続くが、7つの業態別に見ると、青果と鮮魚の専門店では「外観と鮮度」の割合が一番高いなどという結果が農水省の平成13年度食品産業動向調査結果で出た。
食品安全の実態をつかむ調査で11月29日に発表した。食品保管の際は「保管庫の温度管理」に最も気を遣い、販売の際には「期限切れ品の有無の確認」を重視する割合が高かった。
生鮮品が売れ残った場合「全て廃棄する」と回答した割合はコンビニで最も高く、他の業態では「食品別に返品、加工、廃棄など異なる対応」をしている実態が多いという効率性と生ゴミ減量の関係などを考えさせられる結果も出た。
従業者への安全教育で研修(社外研修参加を含む)を実施している企業割合は57%だが、業態別では青果専門店が20%台で一番低い。最も高いのは食品専門スーパーとコンビニで63%。総合スーパーと精肉専門店もこれに匹敵しており、とくに年間を通じた定期的研修の実施割合は精肉専門店が各業態の中で一番高いという結果が出た。
ISO9000シリーズは▽すでに取得▽取得中▽今後、取得を予定している企業を合わせて16%。うち「すでに取得」は4%。 以上は小売業の動向だが一方、食品卸売業では取得から取得予定までを合計して11%。「すでに取得」は1%と小売業より遅れている。しかし業種別では食肉卸売業で「取得」済みが2%と高くなっている。
安全研修の実施率も卸売業全体は40%と低いが、食肉卸売業だけは高い。
仕入れは「外観、鮮度」に注意する割合が全体として最も高いが、ここでも食肉卸売業は「食品の表示」を挙げた割合が高く、BSE問題のせいか卸・小売とも食肉部門で安全対策の取り組みが目立つ。