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農政.農協ニュース

遺伝子組み換え作物の作付面積が急増
――「1昨年は600万農家が選択」と
国際アグリバイオ事業団が発表 (1/15)

 国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は1月15日、世界の遺伝子組み換え作物の作付面積が前年比12%増の1500万エーカー拡大したと発表した。
 世界の遺伝子組み換え作物の導入率は6年連続2ケタの成長で、2002年の総作付面積は1億4500万エーカーに上り、大豆、トウモロコシ、ワタ、カノーラの作付面積の20%以上が遺伝子組み換え品種で占められたという。栽培者も2001年で13カ国・500万人から2002年には16カ国・約600万人に増加、そのうち75%以上が発展途上国の小規模農家としている。
 ISAAAのクライブ・ジェームス会長は「この高い導入率は、遺伝子組み換え作物への信任票であり、遺伝子組み換え技術に対する栽培農家の必要性や満足度を示している。多くの場合、栽培農家は遺伝子組み換え技術が作物を壊滅的な害虫被害から守る唯一の実行可能な解決策であることを理解しつつある」と述べている。
 遺伝子組み換え作物の作付面積の品種別では、ワタが1680万エーカー、トウモロコシは27%増の3060万エーカー、カノーラは11%増の740万エーカー。大豆は10%増の9020万エーカーに上り、世界の大豆の作付面積の半分以上を占めるまでになった。米国では、主にトウモロコシと大豆の作付面積拡大で、遺伝子組み換え作物の作付面積は約820万エーカー拡大した。主要栽培国は引き続き米国、アルゼンチン、カナダ、中国の4カ国だが、中国では初めて、栽培されているワタの半分以上が遺伝子組み換え品種となった。2002年に作付けされた遺伝子組み換え作物の25%以上が発展途上国で栽培されているが、この年、インド、コロンビア、ホンジュラスで初めて遺伝子組み換え作物が栽培され、2001年12月にはフィリピンがトウモロコシの品種を認可し、アジアで初めて栽培が認可された食用遺伝子組み換え作物となった。
 なお、同報告書の短期予測によれば、数年内に遺伝子組み換えワタとトウモロコシの新品種が商用化される予定で、世界の遺伝子組み換え作物市場は2001年の38億米ドル、2002年の42.5億米ドルから、2005年には50億米ドル規模に拡大すると予測している。
 ◎問い合わせ先―日本モンサント(株)広報担当 電話03−5427−7405



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