水不足や水質汚染、洪水など世界の水問題解決を考える「第3回世界水フォーラム」は3月中旬に日本で開く。国際的シンクタンク「世界水会議」の主催だが、今回は特別プログラムとして農水省と国連食糧農業機関(FAO)の共催で、アジアを中心とした37カ国の閣僚による「水と食と農」大臣会議を3月21日に滋賀県で開く。
食料生産と農業の多面的機能における農業用水の重要性について共通認識をまとめる目的だ。農水省にはWTO農業交渉に向けて友好国を増やし共同歩調を強めたいとの期待がある。
日本は▽生物多様性の維持など水田かんがいシステムの多面的機能を評価すべきである▽水の効率的利用にはアジアの共同体参加型かんがいが有効▽ストックの有効利用が重要であることなどを主張する。
同大臣会議にはアジアに加えて欧米、中南米、EU、アフリカから各国の農業用水を所管する閣僚と、国際機関の長が参加する。
これとは別に、翌22日には100カ国以上からの参加を予定する規模の大きい閣僚級国際会議を京都で開く。大臣会議がまとめた見解は、この閣僚級国際会議に提言される。
フォーラムは16日から8日間、京都、滋賀、大阪で▽水と気候変動▽水供給、衛生および水質汚染▽水と文化▽水と平和など多様なテーマで各種セッションやフェアをくり広げる。
世界水会議は専門家、学会、国際機関が中心となって6年前に設立。フォーラムは3年ごとに初回はモロッコ、2回目はオランダで開いた。アジアでの開催は今回が初めて。