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農政.農協ニュース

全国本部の商品管理システム構築など
JA全農が農水省に改善報告 (2/10)

 福岡県本部による「八女茶」の表示違反で農水省から改善指示を受けたJA全農は2月7日、全国本部による商品管理システムを構築するなど具体的な実施事項を挙げた報告書を農相あてに提出した。
 生産から販売まで県本部ごとに事業が完結している地域特産物には全国本部のチェックが働かない商品があるため、これらについても今後は全国本部が管理する仕組みを構築する。
 八女茶も福岡県本部で取り扱いが完結していた。農水省は問題の根を、経済連と統合した全農の構造的欠陥ではないかとみる。特産物には地元行政の支援など様々なからみがあって経済連時代の自主性をそのままとしている面がある。
 このため報告書は、県本部完結であっても製造者、販売者を全農と表示する商品は全国本部の事業部門が商品リスト(契約書などを含めて)を掌握し、担当役員が責任を持ってチェックする仕組みを5月までにつくるとした。
 一方、福岡県本部の茶流通センターは茶の製造・加工業務から撤退する。荒茶の加工、入札などの業務は続けるため、その業務マニュアルを整備する。
 全農グループ全体としては、天候不順や価格高騰などによる数量不足で、契約通り納品できないことがあるため、あらかじめ、これに対応できる契約条項を盛り込めるよう取引先と協議する改善策も挙げた。
 全農チキンフーズの偽装も欠品へのペナルティを恐れたことが原因の一つだったといわれており、量販店や生協などとの協議が注目される。
 全農は環境管理の国際規格ISOの認証取得を目指しているが、その基準で業務マニュアルを見直す。
 表示の適正化対策ではすでに全国本部の食品安全管理室から現地に出向く点検を制度化したが、今後は食品取り扱い部門に「品質管理担当部署」と、表示のチェック担当者を設置する。 また全食品を対象に「事業総点検」を実施中だ。
 一方、八女茶の表示違反の原因では、福岡県本部の茶流通センターには業務マニュアルがないことや、法令順守の意識の欠如などを挙げた。
 お茶の製造は技術に加え経験がものをいう職人的世界。報告はそうした背景にはふれないが、とにかく現場任せであったことを原因の第一点とした。
 なお同センターによる製造・加工業務は地元のJA八女に移すことを県内JAと協議している。
 
福岡県本部の加工
食品表示を総点検

 JA全農は福岡県本部が製造・販売者となっている加工食品を総点検し、お茶については違反表示をはじめ他種の商品でも「常に一番新鮮な」などという優良誤認を招く表示を削除。
 また、うどんについても「一番仕込みおろしめん」という要領を得ない表示を「干しうどん」と修正。さらに、つゆの容量(グラムと袋数)を追加した。
 そばについては「福岡県内産玄そば使用五割そば」を県外産を使わざるを得ない年もあると想定し誤らないよう「五割そば」と修正した。なお原料そば三割以上なら「そば」という表示ができる。(2003.2.10)



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