◆地球の裏側で『家の光』に出会う
農水大臣賞を受賞した小山田フミさんの体験発表
「移住花嫁と『家の光』との出合い」(要約)
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小山田さん
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リンゴの果樹園を経営していますが、農家にも定年があってよいと娘夫婦に後を託し、老夫婦は定年後を海外ボランティアとしてアルゼンチンの日系移住者にリンゴ栽培を指導することになり、現地へ渡りました。
移住民30家族のコミュニケーションを図るため私は自分のアパートを寄合塾という場にしました。
集まってきた人たちは、それぞれの特技を教え合うことになり、一人の移住花嫁は料理講習会の講師として豆腐作りを教えました。
そのレシピがなんと『家の光』のものだったことにびっくり。地球の裏側のパタバゴニアの大地で『家の光』に出会えるとは思いもよらなかったので聞いてみると、日本へ嫁にいった二世が送ってくるとのことでした。
それは船便で三カ月かかって母のもとに届き、家族みんなで回し読みしているといいます。
しかし現地には日本のような食材がないので、レシピとは違ったにがりなどを工夫して作りました。それなりに「おいしい」といいますと移住花嫁は「気に入ったのなら小山田さんが生きているうちはお宅へ届けます」というので「生きているうち」とはヘンな日本語の使い方だと思いました。
そのうちにアルゼンチン経済の崩壊で犯罪が増え、日系人たちも命にかかわる被害を受けている中での表現だとわかりました。私がにわかに日本舞踊を教えた70歳の男性は強盗に手首の切断に追い込まれ、扇子を初めて持った右手が失われました。
やがて、この地方の大きな移民祭で日本文化を披露してほしいとの出場依頼が寄合塾にきました。17カ国の民族が参加する行事ですが、日系人には初めての依頼でした。
しかし日本文化の記事を載せている『家の光』があるのだから、がんばってみようと決め、移住花嫁が持っていた着物姿で日本舞踊を披露し大喝采でした。展示コーナーには日本農業の本として『家の光』を置きました。
2年間の現地生活で私を支え、安らぎを与えてくれたのは『家の光』でした。
◆普及推進で女性部生き生き
JA全中会長賞を受賞した星野房枝さんの体験発表
「なな色の夢が輝くJAにじへ」(要約)
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星野さん
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JA運動を発展させるためには、『家の光』の普及と活用が必要不可欠であるという信念を持って取り組んでいます。しかし長年、普及推進をJA女性部だけに依存してきたために、部員の減少とともに普及率が22%にまで落ち込んでいました。
JAの生活指導員である私は、そもそも『家の光』は女性部だけのものではなく組合員、職員、地域住民が農業と農村社会を理解し、協同の精神を培うための教育資材であると考え、JA職員が率先して普及に努めるべきだと提起しました。
しかし、それを職員一人ひとりに理解してもらうことは簡単ではありませんでした。生活課の中で普及運動を提案し、協議を続けるうちに、トップの理解を得ることが重要だと考え、組合長のもとに出かけました。
組合長からは「役職員が一体となって取り組まんといかん」という言葉が返ってきました。その後、推進要領をつくるにあたって、常務から、女性部と支所長全員で先進JAを視察したらどうかとのアドバイスを受け、山口県のJA豊関へ行き、『家の光』の普及運動は協同組合運動そのものだというJAの姿勢を実感することができました。
そうした結果、推進は成果を挙げ、女性部員全員の購読を達成しました。『ちゃぐりん』の普及はフレッシュミズに呼びかけ、また小学校にも置きました。
女性部活動も生き生きとしてきたと感じられます。『家の光』の記事を活用した勉強会を毎月開いており、愛読者と地域住民を対象にした「家の光グループ」もできました。
女性参画では正組合員加入運動にも取り組み、11%だった加入率が18.5%にまで伸びました。
こうした成果からJAにじとしては今回、家の光文化賞を受賞しました。
◆いつもそばにいてくれる『ちゃぐりん』
花城美沙姫ちゃんの『ちゃぐりん』愛読者特別発表(要約)
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花城美沙姫ちゃん
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『ちゃぐりん』の記事の中で、ゴミを減らすために大活躍をしている生き物ミミズくんのことを知りました。それをきっかけに環境やゴミ問題に興味を持つようになりました。
ミミズには枯葉の下にすむ種類、土の下の深いところにすむ種類もありますが、生ゴミを食べてくれる種類もあります。そのフンが栄養価たっぷりの肥料になって、野菜作りにはミミズが欠かせないパートナーなんだと『ちゃぐりん』を読んで思いました。
そんな時に私の住んでいる玉城村に、ゴミの最終処分場が建設されるという計画を知りました。
それで私は建設予定地の近くにすんでいる人に話を聞きました。その人は最終処分場の影響に危険を感じているといいます。
ゴミ焼却で燃え残った灰のかたまりなどは埋め立てに使われますが、その影響は10年20年たたないとわからないとのことです。
予定地の周辺には、たくさんの畑があって、地下水も豊富です。地下水が汚染されたら農業をやっていけるのかどうか心配です。
公害を防ぐためにはゴミを減らさないといけません。またミミズくんにとってもすみやすい環境をつくってあげることが、自然にやさしい生き方だと思います。
ミミズが人間の役に立つ地球にやさしい生き物だとわかったのは『ちゃぐりん』のおかげです。 (2003.2.12)