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農政.農協ニュース |
「WTO体制変えよう」 各国代表ら決意表明 |
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「輸出国中心のWTO交渉反対」「WTOにNO」などを叫ぶ約1万人の大がかりなパレードが14日、東京の日比谷から銀座の通りを埋めた。先頭には世界9カ国・地域の農業団体代表が立ち、英語やハングル文字のプラカードが街にあふれた。日本の農林漁業・市民団体などが開いた「公正で公平な貿易ルールを求めるWTO国際市民集会」後のデモで、折から都内で開催中のWTO非公式閣僚会議に合わせた行動だ。
これを受け取った中年男性の一人に聞くと「アメリカの圧力に屈するなとのことだが、問題の根には、日本外交の基調がある」との観点を語っていた。 パレードに先立つ国際市民集会は日比谷野外音楽堂で腹に響く和太鼓の音と共に開幕。梶井功・東京農工大名誉教授の開会あいさつに次いで、「食料・農林漁業・環境フォーラム」の服部信司幹事長ら5参加団体代表が「議長案に断固反対し撤回を求めていく」「WTO体制を変えていこう」などと決意を表明。 続いて俳優菅原文太氏らのビデオメッセージを披露のあと、海外の農林漁業団体代表が次々に連携のあいさつを贈った。 カナダ農業生産者連盟のロバート・フリーセン会長とEU農協連合会のクヌード・ベスト副会長、フランス農業連合会のシャルドン専務は「農業はほかの産業とは違う」と強調。農業の多面的機能を語り、シャルドン氏は「農産物価格は各国の生産コストを反映して決められるべきだ。(日本の)みなさんは、フランス農民の全面的支持を得ている」と激励した。
また韓国の鄭氏は「議長案は農業の多面的機能を考慮していない非現実的内容だ」と批判した。 米国ファーマーズ・ユニオンのロバート・カールソン理事は「自由化で農業者が醜い争いに巻き込まれてはならない。一致団結して食料を供給していけるように公平で公正な貿易ルールを求めたい」と述べた。 インドネシア協同組合協議会のストリスノ・イワントノ副会長、フィリピン自作農民連合会のモンテマイヨール常務、スリランカ販売協同組合連合会のダヤナンダ参事も、考えを同じくするものが力を結集してがんばろうと決意を表明。会場には力強い連帯の拍手が続いた。 JA全中の宮田勇会長は「参加者は生活や社会の基盤となる食料や農業、環境について共通の懸念を持っている」「それぞれの国や市民は自らが求める農業・食料政策を自ら選ぶ権利がある」と述べ、会場は多面的機能や食料安保などの非貿易的関心事項に配慮した現実的でバランスのとれた農産物貿易ルールの実現に取り組むことを確認した。(2003.2.17)
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