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農政.農協ニュース

人材育成などを議論
JA改革推進会議 (2/21)

 今秋開くJA全国大会議案の課題などを協議するJA全中の第5回JA改革推進会議は2月19日開き、今村奈良臣議長(東大名誉教授)は「上からのトップダウンの改革ではダメだ。何としても(下から盛り上がる)ボトムアップの改革路線を敷く必要がある」との基本を改めて強調した。
 この日は全中が検討している全国大会議案の骨格などが示された。コメ政策改革への対応としては「地域水田農業ビジョン」を、JAはじめ関係団体と市町村が一体となって策定するという重点実践案を示した。
 これについて農業生産法人の委員は「ビジョン策定には、地域農業を担っている法人もJAと対等の立場で参画させるべきだ」と幅広い観点でビジョンが策定できる方法を求めた。
 担い手対応ではJA北海道中央会の委員が「優秀な農家は大規模化を志向するが、JAは人材不足で、これに対応できない。経済事業改革はこうしたことも含めてトータルに考えなければ」と発言。また、ほかの委員や議長の指摘も人材育成と指導者の不在をどうするのかという課題や人事問題を浮かび上がらせた。
 3年前の全国大会決議で大規模経営・法人など担い手とJAの連携を打ち出したが、改革は進まず、現在約1000JAのうち「担い手対応モデルJA」は6JAにとどまっている。
 フレッシュミズの委員は「JA改革は組合員自身の改革であることを認識してもらわないといけない」とし、法人の女性委員も「自分の農業経営に責任を持てば、JA改革に対する関心も高まる」とボトムアップの基本を指摘し、ほかの委員からは、農業所得を上げないと経営的感覚が生まれない、との補足も出た。
 JA滋賀県中央会の委員は「営農指導体制を強化しないとJA離れは、さらに進む。WTO体制下では競争に耐えられる生産コストを求められるが、最大の問題は物流コストだ」と指摘した。
 これについてJA全農の田林聰理事長は「コストを下げるために流通経路を短縮するのが全農のねらいであり、そのために事業2段でなく1段にする方向も検討している。具体的には小売まで含めた株式会社をつくる方向もある。経済連との統合連合も進めている」と説明した。
 一方、JAの事業収支について農林中金の増田陸奥夫専務は「信用事業でも今のままでは事業運営のコストがまかなえない。店舗やATM(現金自動預け払い機)の配置も見直さざるを得ない」とし、部門別のコスト意識を強調した。(2003.2.21)



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