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農政.農協ニュース

生産調整 国が認定
−食糧法改正案骨子示す 食糧庁 (2/27)

 食糧庁は2月20日、食糧法改正案骨子を自民党農業基本政策小委員会に示した。骨子の柱は(1)基本指針の策定、(2)生産調整の円滑な推進、(3)適正かつ円滑な流通の確保、の3つ。
 現行の食糧法では、米の需給と価格安定のため農林水産大臣が「基本計画」を定めているが、改正で、この基本計画に代えて、需給の見通し、備蓄運営の方針、輸入方針などの「基本指針」を策定するとしている。
 また、基本指針の策定にあたっては、食料・農業・農村政策審議会の意見を聞くとともに、需給見通しの策定について都道府県知事の協力を求めることができる、としている。
 生産調整は、現行では備蓄米として買い入れる対象を限定するために食糧法に規定されているが、改正で生産調整施策の基本方針として(1)生産者の自主的な努力を支援、(2)水田での稲以外の作物の生産振興に関する施策との連携、(3)地域特性を重視して行う、ことを規定する。
 そのうえで、農協など生産出荷団体が主体的に生産調整を推進するため、団体が作成する生産調整方針を国が認定する制度を設ける。
 また、生産調整方針の作成には、国や地方公共団体が必要な助言、指導を行うことを盛り込むほか、生産調整への参加者には、過剰米処理に関わる無利子資金の貸付けが受けられることを規定する。
 流通制度では、現在の計画流通制度と自主流通法人の指定など関連制度も廃止し、(1)過剰米処理の関わる無利子資金の貸付けや売買に関わる債務保証などの業務を行う指定法人制度の創設、(2)自主流通米価格形成センターは米穀価格形成センター(仮称)に改称。取引方法の拡充、売買資格者の規定を整備。(3)出荷、販売業者について所在地等の届出と帳簿の備え付けの義務づけ、(4)緊急時の対応、を規定する。
 自民党は同改正案骨子を了承。2月28日に改正食糧法の条文が示され了承される見込み。その後、3月上旬に閣議決定され国会での審議に移る。(2003.2.27)


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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