|
第2回JAバンク全国大会。
挨拶する農林中金上野理事長
|
系統信用事業の第一線で努力するJA役職員の功労を称える第2回JAバンク全国大会は2月18日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで開催された。昭和28年に開催した「農協貯蓄推進全国大会」から通算すると50回目の節目にあたる大会とあって例年より多い99人の功労者に農林中金の上野博史理事長から感謝状が贈られ、その栄誉を称え合った。出席者約180人は「組合員など利用者や地域から選ばれ続けるJAバンクとなるため」の取り組みを誓う大会宣言を採択。系統信用事業の一層の発展を目指す決意を新たにした。
◆功労者99人に感謝状
|
JAバンクのイメージキャラクター
岡本綾さんのトーク
|
上野理事長は主催者あいさつの中で「今年は「JAバンクシステム」2年目として、JA・信連・農林中金が総力を結集して、破たん未然防止システムの確立と、一体的な事業運営により高度な金融サービスの提供を実現することを目指し、一層の取り組み強化を図る必要がある」と強調した。
来賓祝辞ではJA全中の宮田勇会長(農林中金経営管理委員会会長)がWTO農業交渉をめぐる情勢報告の後、JA貯金残高の伸びをJAバンクへの「信頼の証し」とし、今秋開くJA全国大会を「開かれた大会にしたい」と述べ、「引き続き系統信用事業の推進にご尽力を」と訴えた。
次いで長年の功労者に感謝状が贈呈された。
大会には、JAバンクとして一体的な事業推進に向けて取り組んでいる「情報ネットワークJA」25JAの役職員も招待された。
|
記念講演するジャーナリストの鳥越俊太郎氏 |
その紹介の後、JA住宅ローンなどのテレビコマーシャルを紹介。そこに出演しているイメージキャラクターの女優岡本綾さんがあいさつ。
JAバンクが顧客に贈っている「ちょきんぎょ」グッズを「愛用しています」などと語った。最近のコマーシャルではベテラン女優の佐久間良子さんと共演している。
午後は「21世紀の日本人へ」と題するジャーナリスト鳥越俊太郎氏の記念講演があり、同氏は、軍事、エネルギー(石油)、食料という3つの安全保障のうち今、エネルギー安保の問題で米国はイラクの豊富な石油資源をフセイン政権に任せてはおけないと武力行使を急いでいる、20世紀は体制間競争の時代だったが、21世紀は国益第一主義の争いとなっているとした。
そうした中で日本は鉱工業製品と取引して食料自給率をさらに下げ、農業の心を失っては大変なことになるなどと解説。また農業でも人材育成が21世紀を生きる道だ、と力説した。
次いで、大会宣言案起草委員会の中島建委員長(鳥取県・JA鳥取いなば組合長)が力強く案を読み上げて、これを採択した。
最後に農林中金の増田陸奥夫専務が「宣言の実行に期待したい。JAバンクは21世紀に必ず生き残れることを確信している」と閉会の辞を述べた。(2003.3.3)
大会宣言
|
大会宣言を読み上げるJA鳥取いなばの中島建組合長 |
わが国経済は、デフレ状況が長期化し、改善の糸口が見えない状況が続くなかで、ますます舵取りの難しい環境となりつつある。
金融機関においても、不良債権処理の加速・抜本的な収益改善策を進めることとなり、今後、金融情勢の不透明感・迷走感が強まるとともに預貯金者による金融機関の選別はさらに進むことが予想され、健全性・信頼性がより一層問われる状況になっている。
こうしたなか、われわれJAバンクは、昨年スタートした「JAバンクシステム」を通じて着実に信頼性を確保してきた。
一方、この秋のJA全国大会に向けては、JAの事業・組織・経営にかかる抜本的な見直しがJAグループ全体として取り組んでいくべき重要課題となっており、JAバンクが総力を挙げて、経営の健全性向上と、このための効率化、さらには事業量確保と収益拡大に取り組む「正念場」と捉えることが肝要である。
引き続き組合員等利用者や地域から選ばれ続けるJAバンクとなるため、次の事項への取り組みに邁進することを誓い、ここに宣言する。
1.JAバンク基本方針の責務・ルールの遵守を徹底し、「JAバンクシステム」の安定運営に努め、JAバンクの信頼性を確保する。
2.個人預かり資産の安定確保、個人ローン伸長による収益力強化、農業融資体制の充実等を通じて事業実績の着実な伸長を実現するとともに、効率的な機能・体制整備を図る。
3.幅広い利用者ニーズに対応できる人材育成、ITの積極活用、信用事業システムの整備・高度化を通じて、JAバンクの一層の利便性向上を図り、良質・高度で親切な金融サービスを提供する。
|
農林中金の上野理事長あいさつ(要旨)
一体的な事業運営で高度なサービス提供を
|
上野博史理事長
|
ペイオフ一部解禁後のJA貯金の動向を見る限り、JAバンクは、組合員・利用者の支持・信頼を得られているものと認識しておりますが、ペイオフ全面解禁にめがけ、ますます利用者の金融機関を選別する目は厳しくなるものと思われます。したがいまして、JAバンク会員におかれましては、組合員、利用者からの信頼性を一層高めていただく必要があり、特に現下の激しい金融大競争時代のなかでは、徹底した経営の効率化を、スピード感をもって進めなくてはなりません。こうした考えのもと、今年秋に開催される第23回JA全国大会議案の検討・審議、そして大会決議事項の実践にJAバンクをあげて積極的に取り組んでいく必要があります。
また、農業につきましては、食品偽装問題や無登録農薬問題等を契機に、食品に対する消費者の目が一段と厳しくなり、食の基盤を担うJAグループの責任が一層重大なものとなっております。
今年は「JAバンクシステム」2年目としてJA・信連・農林中金が総力を結集して破綻未然防止システムの確立と、一体的な事業運営により高度な金融サービスの提供を実現することを目指し、一層の取組強化を図る必要があります。
|
情報ネットワークJAのみなさん
北海道・東北地区
〈北海道〉札幌市・斉藤信明副組合長
〈岩手〉花巻・佐藤邦男金融推進部長
〈宮城〉みどりの・桑原政俊常務理事
関東・甲信地区
〈埼玉〉いるま野・宮寺聖治専務理事
〈山梨〉西八代郡・二ノ宮三幸金融部長、甲府市・坂本松雄
北陸・東海地区
〈新潟〉えちご上越・池田東司常務理事
〈福井〉花咲ふくい・小林豊
〈静岡〉とぴあ浜松・岸本勝代表理事専務
〈岐阜〉陶都信用・小栗一恒常務理事
〈愛知〉あいち中央・安藤一男常務理事
〈三重〉桑名・伊藤光金金融部長、伊勢・濱谷叡金融共済部長
近畿地区
〈滋賀〉グリーン近江・野田幸雄
〈奈良〉奈良県・巽一孝常務理事
中国・四国地区
〈鳥取〉鳥取中央・佐治寿雄金融部長
〈島根〉いずも・児玉佐千夫金融部長
〈徳島〉徳島市・湯村宣秀参事
〈愛媛〉越智今治・渡部元博
九州・沖縄地区
〈福岡〉福岡市・川口正利代表理事専務
〈熊本〉八代地域・澤村成昭
〈大分〉大分市・小川和昭
〈宮崎〉都城・羽田優金融共済部理事長
〈鹿児島〉そお鹿児島・木佐貫洋美常務
〈沖縄〉沖縄県・島袋嘉盛支店長理事
|