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地産地消で農の情報発信を (6/26)
 地産地消を推進するため農水省が6月26日に開いた政策提案会では、地元農産物を使った学校給食や直売所などが、消費者の農業理解促進など農からの情報発信活動にもなっていることを強調する意見が多く出た。
 神奈川県農業共済組合の石川専務は、「農産物は情報商品。直売所は情報発信基地で環境問題などの理解を深めることにつながる。日本の農業は40万農家だけでは成り立たず、小規模、高齢農家も必要で直売所はその活躍の場」などと語った。
 群馬県畜産加工販売農協連合会の黒澤常務は、JA甘楽富岡の直売事業の取り組みを紹介。生産者のレベルに合わせた販売ルートを構築していること、直売所をトレーニングセンターと位置づけていることなど、地域で多様な担い手を育成して、年間を通じて新鮮な農産物を提供できるようになったという。今後は、県の畜産物の地産地消が課題だとしたほか「直売事業は団塊の世代が故郷に帰ってきたときにも役立つ」などと地域活性化にも貢献していることを指摘した。
 NTTデータ経営研究所の溝内氏はJA兵庫六甲に提案した地域通貨発行による地産池消について紹介した。
 地産地消は、経済的利益を追求するだけではなく、農業の多面的な機能など文化的、環境的価値などを大切にする面もあることを強調。住民による環境保全などの活動に対して発行される地域通貨で地元農産物を購入ができる仕組みを提案しているという。「最近は消費者が生産者を監視するという風潮があるが、消費者と生産者が関心を持ち合う関係が大切」と訴えた。
 地産地消を積極的に進めている今治市の安井地産地消推進室長は「地産地消だからといっても安全、安心ではなく生産者にとっては安全確保が課題」と指摘した。また、学校給食への地元農産物の提供では、食材の量に過不足が生じるが、その調整機能を直売所が果たしていることや、学校給食がきっかけとなってJA女性部が味噌づくりなど加工にも熱心に取り組むようになった例を紹介した。
 政策提案としては、▽地産地消の定義をするべき▽直接支払い制度のメニューに入れるなど推進交付金が考えられないか▽地産地消率などを考案して地域での推進に役立ててはどうか、などがあった。 (2003.7.4)


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