亀井農相は8月10日にフィシュラーEU農業委員とWTO農業交渉に関して電話で会談し、米国が提案している関税上限設定を阻止することなど11日からのジュネーブでの事務レベル級会合でも緊密な連携で臨むことを確認した。
亀井農相は、EUの新アイデアについてUR方式を基本としていることから全体として評価できるとし、センシティブ品目については関税引き下げ幅を小さくする代償として関税割当数量を拡大することで途上国を惹きつけるのは「興味深いアイディア」だと語った。ただし、わが国には一部の特定品目で「枠の拡大が極めて困難なものがある」と米の輸入量拡大は認められないと主張した。
フィシュラー委員は、米国との協議は全体としてまとまっていないことや、合意をめざしているのはフレームであって数字はまったく想定していないと話した。市場アクセスについては品目を3つのグループに分け、低い関税削減幅と関税割当数量の拡大を組み合わせることを議論していると述べた。
また、米国は関税の上限設定(キャッピング)に強く固執しているが、EUはフレンズ国全体のためにそれを阻止すべく戦っていると伝えた。
輸出補助金については、一部品目について撤廃する用意があると表明。ただし、米国に対しては輸出信用など他の形態の輸出補助的措置についても同様の措置を要求しているとした。
亀井農相は、関税のキャッピング阻止の重要性を強調、11日からの交渉でも日本とEUは緊密に連携するこを確認した。 (2003.8.12)