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上限関税は日本を狙い打ち−亀井農相 ヴェネマン米農務長官に強調 (9/3)

 亀井農相は9月3日、米国でヴェネマン農務長官とWTO農業交渉で会談。メキシコ・カンクンの閣僚会議文書案では、非貿易的関心事項が適切に位置づけられていないことや、上限関税の設定、重要品目グループの関税割当拡大など含まれていることについて亀井農相は「国内支持や輸出競争にくらべ市場アクセス分野の負担が過重。到底受け入れられない」と強調した。
 とくに上限関税の設定については、政治的な状況としても受け入れる状況にはなく「実質的に日本を狙い打ちしたものと言わざるを得ない。良好な日米関係を損ないかねない」と主張した。
 これに対してヴェネマン農務長官は、上限関税の設定の考え方は、スイス・フォーミュラ方式を提案した時点ですでに示したことであり今回はそれを維持したに過ぎず、一方で重要品目グループを設定するという柔軟性を示したと主張、また、日本は多くの工業製品を米国に輸出していることから、包括的な交渉として日本も取り組むべきと指摘した。
 これに対して亀井農相は、国内支持分野では米国の「価格変動型支払い」も認められる新たな「青」の政策が提案されていることや、輸出補助金と同様の規律を輸出信用にも課すべきとの批判があることなどに触れ、3分野間のバランスが重要であることを再度強く訴えた。
 また、ヴェネマン農務長官は牛肉の緊急関税措置の撤回を求めたが亀井農相は「この措置はUR交渉時に米国など関係国と協議した結果、自主的な関税引き下げ代償として措置したもの。見直すことはできない」と反論した。
 会談では意見が対立したが、事務レベルを含むあらゆるレベルで議論していくことが重要との認識では一致した。 (2003.9.8)

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