■9月の低温で登熟阻害
15年産水稲の10月15日現在の作況指数は、9月15日現在より2ポイント低下し全国平均で「90」となった。10月28日、農水省が公表した。
9月に入ってから天候回復が期待されたが、宮城県古川市では9月20日過ぎから最低気温が10度を下回る日が続くなど、北海道、東北の太平洋側では9月中旬以降の低温で登熟が著しく阻害されたことにくわえ、いもち病が拡大したことから、北海道では前回の81から73に、東北では86から80に低下した。宮城のいもち病被害率は9月が5.2%だったのが10月には10%とほぼ倍増した。
県別では青森53、岩手73、宮城69、秋田92、山形92、福島89となっている。
また、鳥取、島根、山口でもいもち病が拡大し、前回調査より1〜2ポイント低下し鳥取89、島根90、山口91となった。
前回調査より作況指数が低下したのは24道府県。一方、九州では天候に恵まれるなど4県で作況指数が前回より上がった。
今回の調査時点での刈り取り面積は85%だが、最終作況に大きな変動はないという。予想収穫量は778万1000トンとなった。
■ほ場による格差大きく
作況指数の公表に合わせて農水省は標本筆の10アールあたりの玄米重調査結果も発表している。
それによると北海道で「0〜706kg」、青森「0〜687kg」などと収穫量に大きな格差があり、標本筆のなかには作柄がゼロというケースもあることが示されている。岩手、宮城、福島も作柄がゼロの標本筆がある。同県同地域内でも収量に相当の差があることが示されている。
また、ふるい目幅別の重量割合も示されたが、2ミリ幅での収量は、直近3か年の重量割合の平均値より7.4ポイント低下(全国平均)しており、15年産米は全体として粒が小さいことがうかがえる結果となった。