2002年12月の国連総会で2004年を「国際コメ年」とすることが決議されたことを受け、関係団体や個人まで国民各層が幅広く参加する「国際コメ年日本委員会」が来年1月に設立される。
国際コメ年はコメが世界の半数以上の人々の「主食」であり、おもに開発途上国の栄養不足の削減、貧困の撲滅に大きな役割を果たしていることから、世界の関心を向けるために決議されたもの。
日本でもさまざまな活動を展開していくため、同委員会が設立されるもので、会長に就任予定の木村尚三郎東大名誉教授は11月21日、亀井農相と会談し、「日本型食生活や水田の果たす役割などもっと考えてもらいたい」と広く参加を呼びかけていくことを伝えた。
木村名誉教授は、日本委員会の課題として、米の消費減少が続くなか、「具体的に何が日本型食生活なのか分からなくなっているのではないか」と指摘し、米が主食であることを改めて位置づけ、「各地方ごとに日本型食生活にふさわしい新しい郷土料理の創造なども必要」と話した。
また、水田、稲作が日本人に果たしてきた役割を再認識するための活動やコメ生産国として日本の国際貢献について探ることも課題だとした。
委員会の副会長には作家の嵐山光三郎氏、井上ひさし氏、東大教授の生源寺眞一氏、立正大学教授の富山和子氏、馬事文化財団理事長の東久雄氏が就任予定。設立総会は16年1月20日。
総会後は、午後2時から東京・有楽町の読売ホールで「2004年国際コメ年記念シンポジウム−おコメ、私たちの命−」を開催する。 (2003.11.26)