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農薬ラベルに表示ミス 6社15剤で使用回数など 農水省が回収を指導 (7/23)   

 農薬の容器と包装に使い方の表示ミスがあったとして農水省は7月23日、メーカー6社に計15剤の現品回収を指導、また販売店には販売停止を指示した。さらに農家が問題の農薬を返品した場合は、それを引き取るようにとの指導もした。
 正しい使用回数が3回なのに「4回」と記載した稲の殺虫殺菌剤や、使用時期が収穫の3日前なのに「前日」と誤記したレタスの殺菌剤などが見つかった。
 レタス用農薬は、ほかにも適用作物が増えた際に、使用時期を他作物と取り違えたとメーカーはいう。これは病気の予防剤なので同省は収穫直前に使う農家は実際にはないと見ている。
 また同省はデータによる判断から、誤ったラベルに従って農家が農薬を使用しても作物に残留する心配はほとんどないとしている。
 間違いラベルは、日本農薬、エス・ディー・エスバイオテック、クミアイ化学工業、三共アグロ、日本化薬、住友化学工業の6社製品のうち15種類。
 福島県の病虫害防除基準表示が間違っていた問題を調べる中で一部農薬の誤表示も見つかったため同省は農薬取締法に基づき7月14日、農薬工業会に一斉点検を求め、その報告を受けて今回の中間発表となった。
 今のところ表示ミスだけで、故意の違反はないが、なお一斉点検を続け、最終報告期限を28日とした。
 誤表示農薬の販売量は調査中だが、誤表示の期間が一番長かったのは平成12年9月に適用作物の範囲が広がったレタス殺菌剤。
 次いで13年7月に登録内容を変更したトマト殺菌剤で、これは有効成分5%で使用回数5回のトマト殺菌剤を、10%3回以内に登録変更しながら、表示を「3回」へと変更しなかった。
 間違いラベルの対象作物はトマト、レタス、キュウリ、稲、桑、イ草、タバコで、非食料作物を含む。
 なお稲用の剤では、有効成分ビロキロンを用いた育苗箱施用剤の登録によって本田での使用回数を減らす必要があるのにラベルの表示を変えなかったというケースなどがある。
 
◆多い昨春からの誤表示 農薬工業会が陳謝

 農薬工業会の多田正世会長(住友化学工業(株)常務)は23日の記者会見で誤記表示を陳謝し「この問題の基本は、会員各社の関係者に安全管理意識が必ずしも徹底していなかったことにある」と要因を語り、前日には会員など38社が緊急会議を開き「再発防止策に業界一丸となって取り組むことを確認した」と報告した。
 また農薬の登録内容とラベルの比較点検や不適切表示への対応策などについて会員からの報告を25日までに求めるなど総点検を実施中であり、まとまり次第、結果を公表するとした。
 大内脩吉副会長(日本農薬(株)社長)は「昨年4月に農薬の残留基準が変わってラベルの変更が必要になったが、それ以後に製造した剤に誤記表示が一番多い」と説明した。
 また「使用時期を誤記したレタス殺菌剤は日本農薬の剤だけであり、同業3社が扱う同じ剤には表示ミスはない」と強調し、迷惑をかけたことをわびた。
 さらにトマト殺菌剤は3回のところを「5回使っても作物残留に影響はないとのデータがそろっている」などの説明もした。 (2003.7.25)


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