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JAは自立できる経済事業の構築を 今村「あり方研」座長 (3/28)

報告書を手渡す今村座長(右)
報告書を手渡す今村座長(右)
 「農協のあり方研究会」の今村奈良臣座長(東京大学名誉教授)は3月28日、研究会の議論のまとめを農相に報告した後の記者会見で、報告書が示した改革方向について「行政側からJAグループへとサイは投げられた。後はJA側が自主的に改革を進めることになる。改革しなければつぶれるしかない」と語った。
 報告書は「農協系統自身に半分公的な組織という誤解がある」としたが、この日の研究会でも「JAは民間の一経済主体であり、その改革に行政が責任を持つ必要はない」という委員の発言があり、今村座長は、これを引用して、JAの自立性を強調した。
 また「JAに不満のある組合員はJAを変えればよいのだが、それをしてこなかった」とし、役員選出などの慣習や風土が変革を困難にしていると指摘。今後は組合員が主役にならなければならないとした。
 さらにJA同士は役職員の人事異動ができない制度になっているのだから「農協人材バンクのようなものをつくる必要がある」と提言した。
 報告書は経済事業改革をテーマとし、また「競争」をキーワードとした。JAは経済事業で自立する方向を目指し、全農は「連合会の本来の任務であるJAの補完に徹する方向を目指すべき」とした。これについて今村座長は質問に答えて次のように語った。
 小規模JAの農畜産物販売は経済連任せで無条件委託販売だった。これは無責任委託販売ともいえる。
 経済事業で採算のとれつつある優れたJAがすでにあるのだから、各JAとも自立を目指すべきだ。全農については、そもそも農畜産物を売買する必要があるのかどうかということから事業を見直してほしい。
 協同組合も一般企業との競争に勝ち抜かなければいけない。生産者と消費者から選ばれるJAになるという考え方については、すでに生協が「スーパーか生協か」という消費者の選択のもとにある。 (2003.4.1)


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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