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売れる銘柄へ 集約化進める−15年産大豆の生産計画 (4/25)

 国産大豆は、安定的な取引をめざして実需者の要望の強い銘柄に生産を一層集約していく。
 4月25日に開催された「大豆情報委員会」(全中・全農・全集連)では、15年産大豆の用途別・銘柄別需要数量の見込みと集荷・販売計画を公表した。
 用途別の需要見込み数量は、「豆腐」13万6000トン、「納豆」1万800トン、「煮豆」1万6900トンとし、その他用途を合わせて合計17万9000トンとした。前年産より15%、3万トン多い計画。
 豆腐用のフクユタカ、エンレイ、とよまさりで約2万トン増となっているほか、納豆用のスズマルも契約栽培も含めて1500トン増やすなど、実需者の要望の強い銘柄を増加させる計画となっており、売れる大豆づくりに向け産地・銘柄の集約化を図る方向だ。
 納豆用の小粒スズマルは人気が高く、2月の入札で大豆全体の平均価格60kg4500円程度を大きく上回る8400円をつけて14年産スズマルは完売したという。こうした実需者のニーズに応えるかたちで生産計画を立てた。そのため増産する銘柄がある一方、14年産より大きく生産減とする銘柄もある。
 大豆情報委員会では、入札価格は順調に推移し、取り引きも3月末現在で前年比145%となっているとしており、実需者の「年平均2〜3万トンの増加なら買い付ける」との意向を受けた計画ともなった。背景には、豆腐用北米産では遺伝子組み換え大豆が大幅に増えていることから「買い付け意欲が低下している」という事情もあるという。
 一方、都道府県からの聞き取り調査をもとに推計した15年産大豆の作付け面積は15万2000ヘクタール(対前年比101%)となっている。
 平均反収からみた予想生産量は27万4500トン。ほとんどの地域で作付け増が見込まれているが、近畿は減小の予想だ。
 大豆情報委員会は、作付けが終了する7月に会合を開き、15年産大豆の生産・販売に関するさらに詳細な状況をみる予定にしている。 (2003.4.30)



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