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東アジアの食と農でシンポ開く−今村教授の記念講演も 日本女子大 (5/31)

今村奈良臣東大名誉教授
今村奈良臣
東大名誉教授
 「東アジアの食料と農業」をテーマにしたシンポジウムが5月31日、日本女子大学で開催された。
 このシンポジウムは同大家政学部が主催。最初に平成15年度日本農学賞を受賞した今村奈良臣東大名誉教授(前日本女子大教授)の記念講演が行われた。
 「食料・農業・農村政策に対する私の基本スタンス」と題した講演で今村教授は、「農業は生命産業であり、農村はその創造の場」と改めて強調し、とくにトレーサビリティシステムの実現や学校給食への地元農産物供給など地産地消を進めることによって、食に対する国民の不信と不安を一掃するために全力をあげるべきなどと語った。
 また、トップダウン農政から自己責任原則に基づくボトムアップ農政への改革の必要性や、日本農業の特質が「共益の追求」にあるとして、農協も農業者の所得、生活の充実だけでなく、国民の共益の実現に全力をあげるべきなども強調した。
 シンポジウムでは、日本、韓国、中国の研究者が各国の農業の現状と東アジアの食料をめぐる課題を話し合った。そのなかで韓国も米の消費量減少から過剰になっているとして、今後、日本と同じように飼料用米生産などによる自給率向上が求められていると指摘。また、中国の研究者は黄河が頻繁に断流するなど、水不足の深刻化を指摘したほか、零細分散の小規模経営であることなど日本と共通点が多いことなどから、農産物貿易では「共存関係の模索」が課題とした。
(2003.6.3)


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