牛肉在庫を買い上げる国のBSE(牛海綿状脳症)対策事業で、補助対象外の豚肉や輸入牛肉を混入して代金を受け取ろうとした3社について農水省は6月18日、業者名を公表した。
広島市の(株)フレッシュ石井は買い上げ申請した国産牛肉の8%に当たる約2トンが豚肉や、牛の内臓などだった。仮払金額にして233万円に相当する。同社はラベルの張り間違いだと弁明したが、加工日が4日間にわたるため、その間に確認できたはずであり、偽装の犯意があると判定された。
香川県木田郡の(株)フタガワフーズ本店は申請量の75%に当たる4トン近くが輸入牛肉と内臓などだった。433万円相当。ここも「手違い」と申告したが、混入率が高く、虚偽とされた。
岡山県津山市のストアーあかのは個人商店で申請量は430キロだが、全量が内臓などだった。牛肉と同じまな板を使った鶏肉などの商品をすべて処分したいと考えたと弁明したが、それなら補助対象外は自費で処分すべきであるとされた。
3業者ともに事業実施主体である全国食肉事業協同組合連合会からは代金を受け取っているが、同連合会に対する国の概算払いはまだ行われていない。
農水省は弁護士や検察OBなどによる判定委員会に合計121社の198事例をかけたが、3社以外は業者名を公表しないと決まった。これで同委員会による判定作業はすべて終了した。
なお牛肉在庫緊急保管対策事業による買い上げをめぐっては判定委の設置前に雪印食品、日本食品、日本ハムグループの3社が偽装事件を起こし、計12人の逮捕者を出している。今回の3社についても警察と相談し、告発を検討中。 (2003.6.19)