JA全農の平成14年度事業実績は取扱高が6兆49億円で計画比99%だったが、13年度の93%と比べれば大幅な改善の形となった。
6月20日発表の業務報告案概要によると、部門別では畜産がBSE(牛海綿状脳症)による前年度の落ち込み回復に健闘し、計画比105%の超過達成で1兆4093億円となった。
自動車燃料も同じく105%の6804億円。石油値上がりが影響した。
米穀も価格が持ち直し、販売量も増えて計画を100%達成。1兆2628億円となった。JAS(日本農林規格)法に基づく精米表示の厳格化や調整保管の効果が大きく出た。
しかし青果物の取扱数量が減ったこと、生産資材と生活用品では需要低迷と安値商品の普及が進んだことなどから結局、計画を1%下回った。
取扱総額は経済連との統合進展により前年度の5兆5343億円を上回った。
統合経済連の事業の外部化(会社化)が進んだことなどで事業利益は約14億円の赤字だが、その幅は計画よりも縮めた。また子会社に施設を貸した賃貸料収入などがあって事業外収益は増えた。
経常利益は事業管理費の削減で117億7000万円と計画を45%上回る黒字で、前期比約4億円増。
当期剰余金は約139億円。出資配当金は年2%。
全農は先に「経済事業改革の基本方向」をとりまとめたが、今後の課題としては、事業別(米穀・農産、園芸、畜産、生産資材、生活の5部門)の改革構想を7月を目途に策定し、秋に開くJA全国大会議案に反映。そして16年度以降の事業計画に盛り込む。 (2003.6.26)