農業協同組合新聞 JACOM
   

農政.農協ニュース

輸入牛肉のセーフガード発動反対で記者会見
日本フードサービス協会 (6/24)

 (社)日本フードサービス協会(横川竟会長)は、6月24日に東京のホテルオークラで、輸入牛肉の関税緊急発動(セーフガード)に反対する記者会見を行った。
 牛肉のセーフガードは、前年度四半期の牛肉輸入数量を基準に、117%を超える数量の牛肉が輸入された場合に、自動的に現行の関税38.5%が50%に上昇するもの。今年4〜6月の四半期の「関税の緊急措置発動基準数量」は、昨年同期がBSE発生の影響で輸入量が大幅に減少したために、冷凍牛肉は過去8年間平均の58.8%、6万7640トン、冷蔵牛肉は同60%の6万3563トンだが、すでに4月の通関実績で冷凍が発動基準数量の27.4%、冷蔵は約40%を占め、5月の予測値を加えると冷凍が58%、冷蔵が78%となり、発動基準数量を超える見通しだ。
 輸入牛肉の60%は、レストラン、ハンバーガーチェーンなど外食産業で消費されている。日本フードサービス協会では、この1年で豪州産冷蔵牛肉の卸売価格が22%、米国産冷凍牛肉の卸売価格が26%上昇しており、関税が引き上げられれば、「仕入れコストの上昇を招き、外食産業、小売業ひいては一般消費者に影響を及ぼすと考えられる」として昨年秋からセーフガード発動に反対してきたが、政府がセーフガード発動に関する最終判断を下す時期が迫っているため「発動を阻止する業界の意思を改めて表明する」とこの日の記者会見を行った。
 この記者会見には、フィリップ・M・セング米国食肉輸出連合会長、サマンサ・ジャミソンMLA豪州食肉家畜生産者事業団駐日代表も同席し、発動回避を訴えた。
 農水省では、発動基準を超えれば「法律にもとづいて粛々と行う」ことにしている。

(2003.6.30)


社団法人 農協協会
 
〒102-0071 東京都千代田区富士見1-7-5 共済ビル Tel. 03-3261-0051 Fax. 03-3261-9778 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。