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介助犬の育成・普及を支援――社会福祉法人の設立も―JA共済連 (7/9)
新井全共連会長から高柳日本介助犬アカデミー理事長に目録が手渡された
新井全共連会長から高柳日本介助犬アカデミー理事長に目録が手渡された
 JA共済連(新井昌一会長)は、介助犬の育成・普及活動を幅広く支援していくために、介助犬に関する国内唯一の学術団体である特定非営利活動法人・日本介助犬アカデミー(高柳哲也理事長、東京都三鷹市)に対して今年度2000万円の研究支援を行うことを決め、その目録贈呈式が7月9日全共連ビルで開催され、新井会長から高柳理事長に手渡された。
 介助犬とは、身体障害者補助犬法で、視覚障害を補助する盲導犬、聴覚障害を補助する聴導犬とともに、「肢体不自由により日常生活に著しい支障がある身体障害者のために、物の拾い上げ及び運搬、着脱衣の補助、体位の変更、起立及び歩行の際の支持、扉の開閉、スイッチの操作、緊急の場合における救助の要請その他の肢体不自由を補う補助を行う犬」と定められた補助犬のこと。
 介助犬を必要とする障害者は、1万5000人から2万人いると推定されているが、現在、稼動している介助犬は37頭しかおらず、介助犬の質の確保と安定した供給体制の確立が求められている。
贈呈式には日本介助犬アカデミー理事の「木村佳友さん(前列右)も介助犬のシンシアとともに出席」

贈呈式には日本介助犬アカデミー理事の「木村佳友さん(前列右)も介助犬のシンシアとともに出席」

 JA共済連では、介助犬を必要とする人の原因疾患の大半が、交通事故による脊椎損傷であることから、介助犬育成支援は、自動車・自賠責共済事業を展開するJA共済の社会福祉事業として意義深いものと判断して、今回の研究支援となった。
 JA共済連は、日本介助犬アカデミーと連携し、さまざまなノウハウの提供とアドバイスを受けながら介助犬育成・普及活動に積極的に取り組んでいくことにしている。当面は、今回の研究支援のほか、介助犬の育成を目的とした社会福祉法人を設立するための基金1億円を拠出することも決めており、この社会福祉法人を通じて介助犬の育成を支援していく予定だ。
 贈呈式には、交通事故によって肢体不自由となった日本介助犬アカデミーの理事・木村佳友さんも介助犬・シンシアとともに出席し「シンシアのおかげで命拾いができたことが何度もある。介助犬育成に多額の支援をいただいたことは大変に嬉しいし、感謝する」と語った。
 新井会長は贈呈式のあと「社会を明るくする事業であり、JA共済の趣旨とも一致する」と記者団に語った。 (2003.7.10)


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