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健全性確保へ財務目標を検討
−経済事業改革中央本部委員会 (8/6)

 JA全中の経済事業改革中央本部委員会は8月6日の第2回会合で、経済事業改革に向けた財務目標の設定などの枠組みを示した。
 経済事業の改革に向けて、全国大会議案では、「農業関連事業」と「生活その他事業」に区分。農業関連事業では「共通管理費配賦前の事業利益」の収支均衡、生活その他事業では一般企業と同じ土俵で競合していることをふまえ「純利益」の収支均衡をはかることを目標としている。
 この新しい部門管理の方式でJA全中がまとめた509JAのデータでは、農業関連事業では約60%が赤字、生活その他事業では約70%が赤字だった。
 また、拠点型事業(物流、農機、Aコープ、SS)では、農機は約80%のJAで赤字、AコープとSSでは47%程度が赤字だったという。ただ、拠点型事業についてはJAによっては場所別の採算管理が行われていない例もあり同本部委員会では早急な対応が必要とされた。
 改革に向けた対応策ではJAの個別指導を行うための基準設定の必要性が提起された。基準例として(1)自己資本額に対する経済事業の赤字額の比率、(2)農業関連収益と生活関連収益がともに赤字、(3)どちらかの部門の収益が2期連続で赤字でかつ悪化、などが示されている。
 また、拠点型事業については拠点ごとの収支均衡(農機は共通管理費配賦前事業利益、SSとAコープは純損益)を基本とするが、キャッシュフローベース(減価償却・共通管理費配賦前事業利益)の赤字施設は統廃合を検討する方向だ。
 また、JA合併などで固定資産などが膨らみ自己資本基準を超過したJAについてはその解消に向けた経営改善計画を策定し進捗状況を同本部委員会が行っていく方向も示された。
 同本部委員会では今後、事業目標(財務以外の目標)と目標を達成するための実践体制についても協議し、11月中旬に経済事業改革指針として決定する。

(2003.8.12)

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