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農政.農協ニュース |
科学的に証明し消費者の信頼を――牛乳でもトレーサビリティシステム |
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◆HACCP手法導入など徹底した品質管理 トレーサビリティが難しいとされる牛乳でも、9月20日に「八千代牛乳」ブランドで知られる千葉北部酪農農協(千葉県八千代市、梅原宏保組合長)でスタートした。同農協は生産者54戸と小さな農協だが、東都生協設立(1973年)当初から取引きがあるというように、同生協やちばコープを中心においしさにこだわった75℃15秒の高温短時間殺菌法(一般的には130℃2秒などの超高温短時間殺菌)による牛乳を生産・販売している。 生協組合員との交流も盛んに行われており、そこでつかんだ消費者の「安全・安心」ニーズに応えるために、1995年に指定配合飼料のコーンをPHFに、97年にPHFのNON-GMO(非遺伝子組み換え)に切り替えた。さらに98年には、牛乳工場がHACCPの認証を取得。2000年には、指定配合飼料原料から遺伝子組み換え作物をすべて排除。さらに、HACCPの手法を取り入れたチェックシートを全生産者に配布し、工程ごとにチェックして作業することを徹底している。 ◆すべての生産情報を記録し一括管理
BSE発生時に「千葉県産」というだけで牛乳の販売が1割ダウンした。消費者と交流し「口で説明するだけでは信頼されない時代、科学的に証明しなければ信頼されない時代になった」と考え、「生産者概況台帳」(生産者プロフィール、牧場敷地見取図、給餌飼料の内容など)、「牛の個体管理台帳」(耳標番号、生年月日、導入日、最終分娩年月日、産次回数など)と、すべての飼料を把握する「飼料管理台帳」の調査・整備を2001年11月から行い、その情報を必要に応じて「パスポート」として発行し配布できる「酪農生産確認システム」を構築した。これを発展させネット上で公開するのが牛乳トレーサビリティシステム「家畜の情報管理システム」で3月28日にビジネスモデルとして特許出願し受理された。 ◆農家を守るのは農協の使命――安売りはしない 30年間「八千代牛乳」を取り扱っている東都生協は、千葉北酪で取り組んでいる「安全・安心で美味しい牛乳づくりは、東都生協組合員の願いを実現している」ものであり「今回のシステムの開発は、八千代牛乳への安心がよりいっそう深まるもの」と評価している。 ◆「メグミルク」も製造日付をネットで公開 牛乳は、食肉や野菜などとは異なり、農家段階では複数の乳牛からの生乳が混ぜられ(合乳)て貯蔵され、それをタンクローリーなどで集乳し、クーラーステーションまたは乳業工場でさらに複数の農家の生乳が合乳されるため、八千代牛乳のように生産から製造・販売まで一貫しているものは別にして、トレーサビリティは難しいといわれる。 |
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