「食料・農林漁業・環境フォーラム」(代表、木村尚三郎東大名誉教授)は4月25日の全体会で今年度の活動計画を決めた。日本生協連、連合、全漁連、JA全中などから様々な報告があったが、中には「“脱WTO”を草の根からつくりだそう!」というユニークな呼びかけもあった。
WTOは「グローバリゼーションの暴力を制度的に裏打ちし、より完全なものにするための国際機関」であり「伝統的農業、家族農業を衰退に追いやり、食の安全性に脅威をもたらす農産物の自由化や、地球の貴重資源となった水をカネもうけの手段として資本にゆだねたり」することを協議しているという論点だ。
そうした問題の基本を改めて問い直し「世界の反グローバリゼーションと連携して」「強者の経済秩序としてのWTOを乗り越え、弱者が決定と運営に参加できる経済と交易の仕組みをつくり上げる運動を」展開しようという趣旨だ。
そのために日本消費者連盟や労組、「フォーラム平和・人権・環境」などの13人が発起人になって「脱WTOキャンペーン全国実行委員会」の結成を呼びかけていると報告した。
実行委は、地域や職場の問題とWTO問題を結びつけて考える集まりを支援。9月のWTO閣僚会議(カンクン)に向けて運動を積み上げていくという。
一方、今年の夏至の日(6月22日)の夜8時から2時間、みんなで一斉に電気を消そうという「100万人のキャンドルナイト」という運動の報告もあった。
単に省エネだけでなく、文明のもっと大きな可能性をろうそくの光で発見してみようなどという趣旨だ。 発起人には坂本龍一(音楽家)、立松和平(作家)、加藤登紀子(歌手)、そしてJA全中の山田俊男専務らが名を連ねている。
それぞれに人工の光で明るくなってしまった地球の夜を反省。暗闇の美しさや効用を称えている。運動の事務局は「大地を守る会」内に置いた。
地域フォーラムの報告では、群馬県中央会の高橋清農業対策部長が県生協連、県森連、県漁連を構成メンバーにフォーラムを設けて▽国際協同組合デーの集い▽収穫感謝祭▽食と農を考えるトーク、などを実施している活動を紹介した。
また福岡県・JAにじの石井信一営農企画課長が農業改良普及センター、町役場課長から教育長、PTA代表を含めたメンバーでフォーラムを設置。地産地消を推進している活動を報告した。
(2003.4.30)