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経済事業改革推進へ JA全農総代会 決算は経常増益 (7/25)   

 JA全農の通常総代会は7月25日都内で開き、平成14年度決算を承認した。取扱高は6兆49億円で、経済連との統合などもあり、前年度実績を4706億円上回ったが、計画比では99%とわずかに及ばなかった。事業総利益も未達だが、事業管理費の削減で事業利益は計画を超え、経常利益も117億7000万円と計画を45%も上回った。前年度比では約4億円の増益。
 経営管理委員会の木下順一会長はあいさつで「管理費を削減し、計画した出資配当2%と、昨年の水準を越える次期繰越金25億円を確保できた」ことなどを前期決算の特徴とした。
 また会長は、5月に『経済事業改革の基本方向』を策定し、それを「事業別に審議して新たに『事業改革構想』をまとめた。これは秋に開くJA全国大会議案と来年度以降の計画に反映し、目に見える改革を推進する」と決意を述べた。
 来賓あいさつではJA全中の宮田勇会長が「経済事業改革の成功に全力を挙げていただくことを期待する。コメ政策改革では計画流通米の廃止に対して、JA米ブランドの確立などで競争力強化をはかることが重要だ」などと語った。
 監査報告では藤村征夫代表監事が「コンプライアンス(法令順守)の必要性については繰り返し徹底していくことが重要」などの意見を報告に加えた。
 審議では各総代から▽表示違反が相次いだが、全農職員には協同組合意識があるのか。特に協同会社職員の教育を強く求めたい▽JA給油所が競合店並みの価格にできるように仕入れをしてほしい▽生産性アップを掲げて要員を削減しているが、事業拡大の観点からは安易な対応ではないか、などの質問や意見が出た。
 またマイナー作物向け農薬問題や、未収債権に対する貸倒引当金などについての質問があった。前期は会計基準変更などの措置をしたため、とくに財務諸表についての質問が多かった。
 執行部は、競合店に負けない給油所の価格をつくる方式を提案しており、その計画の進行をきちんと管理していくなどと答えた。
 田林聰理事長は不祥事の再発防止策に関連して問題があった場合は、組合員と消費者、取引先にまず情報を開示し、取引先からは現品を回収するなどの初期対応が大事なので、そうした「初期動作の基準を10月にはまとめたい」と明らかにした。また全農自らの総点検結果はすべて農水省に報告し、業務改善を進めていると説明した。
 総代会では、経営役員高田昌彦氏の死去にともなう補欠に永田正利・奈良県農協経営管理委員会会長を選任した。
 その後の会見で田林理事長は「今度の決算には合理化の効果がかなり出てきており、進行中の3か年計画の先行きに少し自信が出てきた」と感想を語った。 (2003.7.28)



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