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農政.農協ニュース |
表示問題、情報発信などに意見続出 |
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農水省の農政改革の方向は担い手に施策を集中するというのがひとつの柱で、その担い手を「プロ農業経営」としているが、委員の間からは「分かりにくい」、「イメージが湧かない」といった苦言が呈された。 農水省は、基本法に示された「効率的・安定的な経営体」だと説明し、「かなりの程度農業に打ち込んでいる農家、認定農業者は該当するし、主業農家も含まれる」などと曖昧な回答。また、「一方で、地域の営農に携わっている人が切り捨てられるということではない」と水や農地など地域資源の維持に役割を果たしている農業者への支援策も同時に実現することを強調している。 経営を支援する「品目横断的な政策」を構築するには、営農類型も含め現実的な担い手の姿を想定しなければ議論は進まないが、同日は「プロ農業経営」など言葉の分かりにくさが、農業問題に国民の関心が集まらず理解も得られない一因との指摘も出た。 このように国民的な関心を集めて議論すべきとの問題意識は多くの委員から指摘され、とくに関心を高めるメッセージ性が必要との意見もあった。 福岡県で農業を営む指導農業士、新開玉子さんは「大臣がテレビに出て一度、日本に農業を残します、自給率を上げると、国民に語ってほしい。そうすれば若者にも農業にやる気が出る」と出席した亀井農相に迫った。農相は各地でのタウンミーティングの席上などを通じて食料、農業問題の重要性を国民に伝えていると答えるにとどまった。 また、新開さんは基本計画の見直しをこの審議会が始めていることについて、「食べることは生きること、といったメッセージを掲げるべき」などとも主張した。 そのほか、農産物の関税率は日本は平均で12%でEUの20%よりも低く、また、もっと高関税の国もあるといった現状や農業者にいかに東京での改革議論が伝わるかといった情報提供も今回の大きな課題とすべきという意見も多く出された。 消費者委員のなかでも、地域で食と農の問題を話し合おうと思ってもどこに情報があるか分からないと指摘が出たほか、船方農場グループ代表で日本農業法人協会顧問の坂本多旦氏は「村ではやっと生産者から意見が出始めたころ。それなのに中央ではもう次の改革が議論されている。現場への政策の普及推進が重要な課題」とし、農政改革の議論がストレートに現場に伝わる体制も検討する必要があるとした。とくに坂本氏が問題にしたのはJAの大規模合併。新たな政策をJAが説明する機会を設けても出席するのは総代だけで、総代が地域の末端に農業者にまで説明する仕組みがない現状が現場とのズレを生んでいると強調した。 ◆「見ればピーマンとわかるはず」 現場感覚とのズレを別の面で指摘したのが前述の新開さんだ。地域のファーマーズ・マーケットで高齢者が朝穫り野菜を出荷しているが、その表示が負担になっていることを挙げた。 ◆自給率、基本法に理念も課題 基本計画の見直しは食料自給率目標も課題となる。ただ、農水省は自給率はあくまでさまざな課題を解決したのちの結果だということから、自給率を主題にした資料は示さず、議論の入り口を担い手への施策集中など経営支援策の確立に置くスタンスだ。ただ、この日の審議会では自給率について「自給率の持つ意味を国民が理解すべき」との意見が出た。 |
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