農業協同組合新聞 JACOM
   

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タイ、フィリピン訪問の経済連携JA代表団報告
コメなどには配慮−タクシン・タイ首相 (4/8)

 自由貿易協定(FTA)交渉の本格化を前にJAグループは3月30日から4月7日にかけ、フィリピンとタイに代表団を送って、政府要人や農業団体代表と話し合ったが、その結果を8日のJA全中理事会に報告した。両代表団は、関税撤廃だけのFTAではなく、農業協力とのバランスをとる経済連携協定(EPA)を目指すJAグループの考え方を示し、両相手国もともに農業協力や交流に期待を寄せ、特に農協間協力を重視した。このため提案の具体化に向け、JAグループ内に実務者の検討委員会を設けることにした。

◆3国の一致点目立つ

 フィリピンでは、農業団体グループ(国家農水産業評議会メンバー)から、農業団体間のビジネス提携や技術支援などの「協力」について多くの要望が出た。
 農業省次官補との会談では「全ての関係者が公平に利益を得るEPAにすべきだ」とする点で一致。さらに次官補は▽農業協力の具体化にはすり合わせが必要▽WTO農業交渉では、先進国の輸出補助金に対する途上国の対抗措置を支援してほしい、などと語った。
 さらに貿易産業省次官は▽EPAには非農業部門とのバランス確保が必要▽重要品目には柔軟に対応すべきであると理解を示した。 一方、バナナ生産者とも意見交換した。

◆農協間協力を重視

 タイでは、タクシン首相と会談。EPAについて同首相は▽両国の農業に影響を与えないようバランスが必要▽コメなどの問題品目に影響を与えないようにすべき▽日本の技術を活用した農協間協力や交流が必要などと語り、また日本で生産できない熱帯産品の輸出に期待感を表明した。
 しかし商務相との意見交換では「交渉はギブアンドテイクであり、問題の品目について例外を求める場合は、それに見合うものを提供すべきだ」との発言があった。
 なお、タイに派遣した代表団は宮田勇JA全中会長を団長とし、フィリピンへの代表団は花元克巳JA全中副会長を団長とした。 (2004.4.12)



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