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米輸出 本格化へ−JAグループ (4/23)

 上海、香港、台湾など東アジアと北米をターゲットにした米の輸出にJAグループが本格的に取り組む。16年産米から試験的な輸出や食品見本市への出展などを行う。
 JAグループでは16年度からの米政策改革のスタートにあたり、「米輸出の本格的な取り組み」を掲げた。
 一方、農水省も4月1日に「輸出促進室」を発足させ生産者団体が行う輸出促進活動を支援することにしている。また、ジェトロ(日本貿易振興会)も国産農産物の輸出拡大に向け今年度から国際見本市への出展支援に取り組むことにしており、JAグループはジェトロとも連携して米輸出を積極化する。
 日本全体の米の輸出実績は年間400トン程度。そのうち台湾向けが約6割を占め、香港、シンガポール、米国と続く。
 経済発展と日本食ブームで高品質米へのニーズがあり、在留邦人をターゲットにしながら当面はイベントなどの実施で現地の富裕層への拡大を図る。販売先は日系スーパー、現地高級スーパー、日系コンビニなどを中心とし、業務用では寿司店をターゲットにする。

◆生産者手取り確保の仕組み検討へ

 ただし、現地調査によると日本米は豪州産、中国産の短粒種とくらべて5〜7倍、、米国産短粒種でも3倍前後の価格となっており()、需要の拡大のためには現地のニーズに対応した価格設定が必要となる。
 そのためJAグループでは、コスト割れ輸出をせず一定の生産者手取りを確保する仕組み、制度などについて今後検討していく。
 また、取り組みを拡大するため産地と連携した全中、全農、産地県による輸出連絡協議会を設置。4月下旬に第1回協議会を開催する予定。
 なお、JAグループの米輸出の主体はJA全農が担い、代金回収業務は(株)組合貿易が取り組む。また、精米輸出では「真空包装」の必要があるため、設備面をふまえ当面、全農パールライス東日本(株)が担う。 

米価格の比較(15年11月 ジェトロの現地調査)
(2004.4.23)


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