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重要品目の扱い 「ルール化」を確認
亀井農相とラミーEU貿易担当委員が会談 (6/22)

 6月22日、亀井農相とEU貿易担当のラミー委員が会談、市場アクセスでは重要品目への配慮が必要などの点で認識が一致し、7月末の枠組み合意に向けて日本とEUが協調しながら交渉を進展させる努力をすることで一致した。
 ラミー委員は、農業交渉について交渉にはずみ(モメンタム)がついており「合意の可能性が高まっている」と亀井農相に話した。ただし、農業分野については「輸出競争」、「市場アクセス」、「国内支持」の3分野のバランスがとれた形で交渉が進行する必要があると指摘。輸出補助金の撤廃問題では、輸出信用や食料援助などのすべての形態の輸出補助金が同等の規律で扱われることが必要だと述べた。こうした点については亀井農相も同じ考えを示した。
 また、市場アクセスについては、「重要品目のカテゴリー」を設置して柔軟な取り扱いをする必要性があるという点では、日本とEUは立場を共有しているとし「一緒に戦いに挑んでいく必要がある」と日本と連携して交渉の臨む方針を示した。

■関割拡大で認識に差も

 一方、亀井農相は日本の立場として、重要品目への配慮を「ルール」として枠組みに盛り込むことが不可欠との考えから、重要品目には最低限の関税削減のみとすべきであることを強調、また、上限関税の設定には反対であることを伝えた。
 現在、関税削減の方式については、米・EUはブラジル、インドなど「G20」が提案している「階層方式」を前提として検討しているといわれる。今月中にも示されるというグローサー議長ペーパーも関税削減方式では階層方式が提示される可能性も高いといわれている。
 この方式は、現行関税の高さで削減率を区分するというもの。基本は高い関税の品目ほど削減率を高くするという方式で、いわゆるハーモナイゼーション(平準化)の考え方に立つ。
 ラミー委員の指摘は、この方式が適用されないカテゴリーを入れて、重要品目は柔軟に扱うべきとの考えで、これを「ルール化」として盛り込むべき日本の主張と一致する。
 ただし、日本は、重要品目の市場アクセスの改善のために、一律的に関税割当拡大を義務づけることには反対で、品目によってケースバイケースで議論するとの立場。とくに品目によっては最低限の関税削減のみとし、関税割当拡大はできない品目もあることを主張している。
 これに対しラミー委員は、重要品目の市場アクセス改善には、「低い関税削減率と関税割当の組み合わせ」が基本との認識を示し、日本の主張については「最大限の柔軟性を確保することが必要」と述べるにとどまり、この問題では依然差がある。
 WTO農業交渉は23日からジュネーブで再開した。7月合意に向けて重要な局面を迎えていることから、JAグループは前回に引き続き宮田勇JA全中会長を団長に代表団を派遣している。

(2004.6.24)


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