農林水産省は今年度のごはん食推進活動支援事業として、学校法人中川学園などから提案のあった15件の事業を採択した。同事業は米消費拡大をめざし15年度から実施しているもので、非営利団体を対象としている。今年度は4月20日から5月24日まで公募し、NPO、消費者団体等から31件の応募があった。応募案件について、有識者等で構成される「ごはん食推進活動支援事業外部評価委員会(委員長:(株)神明社長 藤尾益也)」で審査し、最終的に15件を採択した。
今年度は事業費3500万円で、1件あたり300万円を限度として補助する。
今年度採択の15件の概要は以下の通り。
1.学校法人中川学園中川学園調理技術専門学校(茨城県)
子供たちの関心の高いおにぎりによる、更なる米の消費拡大に資するために(1)おにぎり大好き講習会(親子)、(2)おにぎり講習会で紹介したメニューを活用したおにぎり・ごはんわくわくランド等を開催。
2.特定非営利活動法人食生態学実践フォーラム(東京都)
ごはんのある食事への理解者及びその実践者を増加させ、米の消費拡大に資するため、(1)「ヘルシーごはん弁当箱ダイエット法」の支援者(指導者)養成プログラムの開発、(2)「3:1:2弁当箱法」の支援者向け学習会・研修会の開催、(3)地域の特徴を生かした展開をするために必要な「食事づくりカード」作成を実施。
3.特定非営利活動法人日本都市文化再生支援センター(東京都)
汐留シオサイトを活用し、主に夏休みの子どもたちを対象に、お米に関する基礎知識から、ごはん食の重要性等をトータルで学習できるように(1)お米とごはんに関するパネル展示、(2)クイズラリー、(3)おにぎりの試食等を実施。
4.日本米穀小売商業協同組合連合会(東京都)
お米の専門家であるお米マイスター「お米・ごはん」の健康への効能を指導教育し、その知識を広く地域の消費者へ普及するため、(1)「お米マイスター、お米の力・再発見セミナー」の開催、(2)消費者へお米マイスターによるセミナー内容の普及活動等を実施。
5.特定非営利活動法人全日本健康自然食品協会(東京都)
ごはん食の伸び悩みの実態を探りつつ効果的な米消費拡大を図るため、(1)ごはん食の実態調査アンケートと様々な米料理のコンテスト、(2)親子料理教室、(3)「ごはん食・米の消費推進」の講演会等を実施。
6.特定非営利活動法人人間環境ネット21(東京都)
米づくりを通して農業等を考える材料を提供し、都市消費者が米づくりや食に対する関心を持ってもらうため、(1)四季の米づくり農作業体験、(2)シンポジュウム等を実施。
7.長野県生活協同組合連合会(長野県)
健全な食生活、米ごはん食の価値の再認識等のため、(1)地元産米等を利用した郷土料理メニューの提案、(2)農産物を用いた料理教室等を実施。
8.NPO法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト(長野県)
各ライフステージごとに講座(講話と調理実習)を設定し、ごはんを中心とした日本型の食生活を指導することにより、食を通じた子育て支援を行い、米の消費拡大を図るため(1)子育て中の保護者のための食生活講習会、(2)小学生のための料理教室、(3)中高生のためのヘルシー講座、(4)妊娠期の女性のための食生活講習会等を開催。
9.富山県米穀小売商業組合(富山県)
ごはんについての誤解を解き、お米と健康を正しく普及するため、対象者を年代別に分けた(1)親と子のふれあいおにぎりフォーラム、(2)富山・お米サミット、(3)いきいき家族でごはん食ヘルシー料理を食べよう(健康講座)、等を開催。
10.グループマーメイド(福井県)
伝承料理に新しい要素を加え、新たなスローフードを確立し、日本型食生活の再認識・推進、米の消費拡大を図るため、(1)研修会の開催、(2)従来の伝承料理とマッチした穀物料理の試作研究、(3)イベント等での試食会、消費者調査等を実施。
11.特定非営利活動法人地球の未来(岐阜県)
将来の世代を含めた社会全体のごはん食推進を図るとともに、身近なお米に新鮮な興味を持たせるために、10代後半から20代前半の女性を対象に,(1)「お米の種類や炊き方の違い」を体験するお米ソムリエグランプリ、(2)お米のお菓子創作コンテスト等を開催。
12.京都府生活協同組合連合会(京都府)
鳥インフルエンザが発生し、厳しい環境にある中で、ごはん食の推進を図る元気の出る取組として(1)京都・丹波「丼・どん」元気が出るテント村フェスティバル、(2)京都府産米・かしわ・たまごフォーラム等を開催。
13.近畿米粉食品普及推進協議会(兵庫県)
米粉食品の認知・浸透を図り、米粉での消費拡大を図るため、(1)親子で作る米粉料理コンテスト、(2)米粉食品普及セミナー、(3)米粉文化普及推進シンポジウム等を開催。
14.原始人会(兵庫県)
米粉パン等による新たな米の需要喚起と定着により、米の消費拡大を推進するため、(1)地元産米を原料とした「無添加米粉パン造り体験」、(2)身近な四季折々の食材を用いた「各種寿司造り教室」等を開催。
15.特定非営利活動法人高知の食を考える会(高知県)
郷土料理による地産地消の普及啓発と地域食文化における新たな米食の普及のため、対象を旅館・ホテル向け、飲食店向け、一般県民向けに分けたごはん食郷土料理メニューの開発。試食会、共通メニュー化等を実施。 (2004.7.7)
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