JA全農は、16年産米の出荷契約について売渡委託予定数量は446万トン(加工用米を除く)で、前年産(447万トン)とほぼ同数となったと9月30日の経営役員会に報告した。内訳は今年から本格生産に入った「JA米」が195万トン、一般米251万トン。出荷契約時点でJA米を区分している産地は26だった。
加工用米は12万トンで、前年産に比べ大幅に減少したが、供給量減少分はミニマムアクセス輸入米に置き換わることが想定されるため国産米需要の確保に向け、不足分を県別に配置し、一般のうるち米から加工用に振り向ける。
8月末現在の集荷実績(全農分)は約143万トンで14年同期に比べ1万7000トン多い。6月以降の高温・多照で生育が平年より3〜6日程度早くなっているためと考えられるが、一方では台風で集荷の遅れた地域もあり、全国的にバラツキがみられる。
販売は9月20日現在8万9000トン。15年産は8万6000トン、14年産は115万トンだった。当初の豊作基調から一転して今後の作況が不透明となったため、9月28日の入札取引では申し込みが増え、指標価格は14年産の同時期の価格水準となった。
需給対策では、生産調整方針に参加した全生産者に対し、集荷円滑化対策にもとづく過剰米の区分出荷を徹底する必要があるとして周知をはかっている。集荷円滑化対策の加入者数は137万で、加入者の生産確定数量は553万トンとなっている。
また政府米買い入れ枠40万トンの実施を早くと要請していく。備蓄の適正水準は100万トンだが、現状は60万トンにとどまっている。
この日の経営役員会では米穀事業での意見が多く出て▽過剰米処理の対策をもっと明確にして取り組みを進めるべきだ▽政府米40万トン買い入れを年内に早く▽台風被害は予想以上に大きいはず。作柄は101というが、もっと詳しい地域調査が必要だ、などの発言があり、全農は取り組み策の具体化を急ぎ、実施する。
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