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19日にも移動制限解除へ 鳥インフルエンザ対策
−農水省の専門家会議 (2/3)

 山口県で1月に発生した鳥インフルエンザに関して、農水省の専門家会議(食料・農業・農村政策審議会消費・安全分科会家畜衛生部会家きん疾病小委員会)が2月3日に開催され、5日から移動制限区域内の清浄性確認を行い、その結果をふまえて移動制限を解除する方針を決めた。
 1月12日の発生後、発生農場から半径30キロ以内で移動制限が実施されている。対象となっている鶏は約100万羽。発生農場では最終的な防疫措置は21日に終了した。これを受けて移動制限区域内の鶏(1鶏舎あたり10羽)について、抗体検査、ウイルス分離検査を行う。その結果、清浄性が確認されれば19日に移動制限解除を行う予定。
 専門家会議では、国内の分離されたウイルスと海外のウイルスとの遺伝子配列の比較結果についても報告された。国内で分離されたウイルスの型はH5N1だが、先日、ベトナムでヒトに感染したウイルスとは別のものであることなどが示された。韓国、中国、タイで発生したウイルスも同型だが遺伝子配列がまだ明らかにされておらず、公開され次第、遺伝子解析を行っていく方針。今のところ感染ルートについては不明だ。
 また、同会議の議論を受けて国が鳥インフルエンザワクチンの備蓄を行うことを決めた。メキシコ製ワクチンで備蓄量は320万羽分。2700万円の予算を組む。
 ただし、ワクチンの接種は基本的に実施しない方針。「どうしても感染拡大が防げないというまさかのときのため」(喜田宏小委員長)との考えだ。インフルエンザ・ワクチンは、接種しても感染しないわけではなく重症化を防ぐだけ。また、ワクチンの接種により抗体ができるが、自然界で感染した抗体と区別ができなくなり、清浄性の確認が難しくなるというのが理由だ。喜田小委員長は、わが国での感染拡大について「日本には生きた鶏を売買するマーケットがない」ことなどから、感染拡大の可能性は低いと指摘した。 (2004.2.5)



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