|
東京・大手町のコープビルで開かれた学習会。講師は皆川芳嗣農水省企画評価課長。 |
「食料・農林漁業・環境フォーラム」は2月3日に検討が始まった「食料・農業・農村基本計画」の変更についての学習会を開いた。
農水省企画評価課の皆川芳嗣課長が基本計画の変更について説明した後、意見交換した。
会場からはプロ農家への施策の集中と集落営農などとの関係について質問が出た。皆川課長は「プロ農家は地域のリーダーとして食料供給を担っていく生産者。今回は構造改革を引っ張る力になる核の生産者を作っていくための支援策を作っていきたい。一方、農地、水管理などはリーダーだけで支えることはできない」と非農家も含めた地域全体の取り組みに対しても同時に支援を講じていく方針を説明した。
現行基本計画の自給率目標45%(カロリーベース)が達成できなかった場合の責任を問う声も出た。皆川課長は「目標達成は難しい状況。施策の何が問題だったか検証したい。計画責任については将来に向けて新しい施策を盛り込むことで責任の一端を果たしたい」と述べるにとどまった。
また、新たな基本計画では自給率について「金額ベースの食料自給率は73%」など、多様な数値の示し方を検討していることを明らかにした。
品目横断的な経営安定対策への転換が今回の基本計画見直しの主要課題だが、これについて会場からは、小麦、大豆の生産は現行の生産努力目標をすでに実現していることを指摘、「品目別の支援策がなくなるとまた生産が下がるのではないか」との意見が出た。これに対しては「今までの成果を無にするわけではなく、土地利用型農業の経営を支える仕組みをつくるということ」と説明した。
そのほか、会場からは今回の検討にあたって「若い後継者を引きつけるよう農業が魅力ある産業だということをもっとPRすべき」との意見もあった。 (2004.2.6)