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地産地消に若い情熱 ――JA青年大会での発表 (2/5)

 昔のキュウリは肌に白い粉を吹き出していたが、今はピカピカ。味のほうも独特の風味をなくしてしまった。消費者受けをねらった品種改良の結果だ。この差別化の難しい野菜づくりに挑んだ“農業嫌いの青年”阿部匡伸さん(宮城県・JAいしのまき青年部矢本地区)の報告が2月5〜6日に開いたJA全国青年大会の「JA青年の主張」で最優秀賞を受けた。
 阿部さんは専業農家の長男だが、数年前まで農業が嫌いだった。それが父に勧められて、キュウリの新品種を試作し、失敗を乗り越えて、従来とは異なった作り方で安定栽培に成功。市場から味の良さを評価されたので売り方も変え、商品名や荷姿を工夫した。
 しかし消費者には生産者の情報が伝わらず、見た目が良くないとの声も聞こえてきた。そんな時に「うちの子は学童農園で作った野菜をきっかけに、野菜を好むようになった」という消費者の声を聞き、青年部の学童農園が果たす役割を改めて痛感したという。
 学童農園にくる母親たちは、野菜の形が不ぞろいであることに気付いてくれた体験などを挙げ、阿部さんは消費者と生産者の距離を縮めることが大切と強調。今は「農業が好きだ!」と締めくくった。
 青年大会では次いで「JA青年組織活動実績発表」があり、近藤昌浩さん発表の福岡県・JAくるめ青年部が最優秀賞(千石興太郎記念賞)を受けた。
 同青年部は、部の改革に挑戦。組織面では本部と支部の間にブロックを設けて17支部を3ブロックに編成し、支部活動に刺激を与えた。うちCブロックでは研修会を開き、盟友全員がエコファーマーの県認定を受け、意識改革につなげた。
 また盟友を講師に久留米市内の小学生の農業学習を実施。さらには青年部独自の「地産地消を考える会」では学校給食の先生や生活者団体、行政機関の代表に地元産物をアピールし、給食用の納入品目増加につなげる結果となった。こうした部活動の活性化にともない盟友数も増えてきたと近藤さんは報告した。

 「主張」と「実績」は6ブロック代表計12人が発表し、表彰された(敬称略)
☆JA青年の主張☆
▽JAいしのまき・阿部匡伸
▽栃木・JAかみつが西方青年部・駒場威
▽石川・JA松任北星支部出城地区青年部・平田賢一
▽兵庫・JA兵庫六甲・西神戸農業経営者協議会・再本正樹
▽香川・JA香川県大川北部支部青壮年部・山田泰三
▽熊本・JA菊池青壮年部・斉藤潤也
☆組織活動実績☆
▽山形・JA庄内みどり青年部北平田支部・富樫悟
▽東京・JA東京スマイル足立地区青壮年部・牛込聖英
▽福井・JA福井市青壮年部岡保支部・吉村好史
▽大阪・JA大阪南青壮年部西板持支部・中筋秀樹
▽高知・JA土佐香美青壮年部・村上信一郎
▽福岡・JAくるめ・近藤昌浩。 (2004.2.10)



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