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7割の生協で産直政策を見直し
青果物品質保証システム構築を提案
日本生協連「全国産直調査報告書」(2/6)

 日本生協連は1983年から4年ごとに「全国生協産直調査」を実施してきているが、第6回目となる2003年の調査結果がまとまったと、2月6日「第20回全国産直研究交流会」(東京・ダイヤモンドホテル)に先だって記者発表した。
 この「調査報告」によると、「産地偽装事件を受けて、約半数の生協で、商品政策や表示基準、点検ルールの策定や見直し」に取り組んでおり、ここ2〜3年に「商品政策の見直し・策定を行った生協は、検討中を含めると80%強」になる。また、検討中を含めて「70%強の生協で産直政策の策定・見直し」がされた。

◆産直基準厳しく

 地域生協の食品供給高は「横ばい」だが、食品供給高に占める産直比率は、農産物が1998年に比べて15%減の28%、米が同28%減の51%、食品合計では同10%減の12%に低下した。
 日本生協連産直事業委員会の深澤米男代表委員(コープネット農産部長)は、記者会見で、商品としては取扱いを継続しているものでも、農薬の使用や栽培方法が不明確だったり、毎年変わる農薬情報がきちんと伝わってこないなど、トレーサビリティができないものを産直からはずすなど、「旧来は緩やかだった産直基準を厳しくした」結果だと語った。
 「報告」は、商品政策・基準の策定・見直しは進んでいるが、安全性・品質管理の仕組みづくりに取り組んでいる生協はまだ少数。青果物分野での安全性・品質管理のレベルは依然として立ち遅れていることなどが課題だとしている。
 この「報告」を受けて、日本生協連産直調査小委員会は、▽消費者の生協に対する評価・期待は「食の安全」が大きなウェイトを占めている▽青果物においても品質保証の仕組みが求められる時代になっていることから、「生協共通の青果物の品質保証システムを構築すること」と「生産と消費を結ぶコミュニケーションを推進すること」という二つの提案を行った。

◆品質保証システムと構築

 提案内容の具体化については、今後、産直事業委員会で検討していくというが、「品質保証システム」の主な柱は次の通りだ。

1)規格・基準の決定
 ・鮮度やおいしさ、安全性や環境、生産者の健康など総合的な視点
 ・生産や流通・加工段階のプロセス管理のための基準

2)生産と流通管理
 ・記録・記帳と点検・確認、内部監査の実施などPDAC(計画、実施・運用、点検と是正、見直しの継続的な改善を進めるサイクルのこと)にもとづくマネジメント

3)認証
 ・規格・基準に基づいたプロセス管理が実施されているか評価・保証する仕組み
 ・生協や取引先産地の実態にあった仕組みを検討する必要

 生協は、消費動向を左右するオピニオンリーダー的存在である同時に、日本農業にとって重要なマーケットの一つだといえる。今後どのような「品質保証システム」が具体化するかは分からないが、良くも悪くも、農業あるいは産地に与える影響は大きいので、今後の動向を注視していく必要がある。 (2004.2.12) 



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