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住宅ローン伸びる JA貸出金が増加
新規商品の効果 キャンペーンさらに強化へ (2/27)

 全国のJA貸出金残高が増加に転じた。昨年11月末で、ほぼ3年ぶりに前年比横ばいにまで回復したが、今年1月末には前年比伸び率が0.1%となって増加基調が鮮明となった。
 主な要因は昨年、新規商品を投入した住宅ローンが着実に伸びていること、また農業資金や地方公共団体向けの貸出金償還による減少に歯止めがかかってきたこともある。
 一昨年9月末の貸出金残高は前年比1.9%減だったが、その後、減少幅を縮めて、今年1月末には増加に転じた。残高は20兆7950億円。前年比増加額は195億円。
 JAバンクは、この増加をより確実なものとするため、住宅ローン推進に向け全国統一住宅ローン相談会の実施などに取り組む。
 住宅ローンは金融機関にとってリスクが小さく、長期にわたる安定的な収益基盤となるため、住宅金融公庫の廃止などをにらんで貸し出し競争が激しく地域金融機関に加えてメガバンクの攻勢が加熱している。
 その中でJAバンクは住宅ローン伸長を今年度の最重点の1つとして実績を挙げており、新年度からの中期戦略でも主柱の1つだ。
 昨年はキャンペーン商品として最長35年の長期固定金利型住宅ローン「JAあんしん計画」を発売。5月の取り扱い開始以来、融資実行額は全国で2120億円にのぼっている。
 契約件数にして1万2648件、取り扱い道県は36に広がり、さらに4月1日までには41県のJAへと拡大する見込みだ。
 住宅ローンは小口ローンと違って休日にじっくり相談したいというお客が多いため、全国のJAのほぼ半数(約400)が休日の相談会を実施している。
 これにはずみをつけるため、新年度は全国統一の休日住宅ローン相談会を5月と10月に開催する計画だ。
 このキャンペーンのキャラクターには、親しみやすい「サザエさん」を起用すると決まった。テレビコマーシャルやポスター、チラシなどでPRを展開する。
 一方、総合事業を営むJAの強みを活かした初めての試みとして、JAバンクローンとJA共済の複合営業による共同キャンペーンも、農林中金とJA共済連が検討を進めている。
 中期戦略には、住宅関連業者などに営業ルートを拡大し「JAあんしん計画」の利用を紹介してもらう方策があり、いくつかのJAに業者専門のローン営業センターを設置する取り組みも進める。
 なお、同「あんしん計画」の金利は当初10年間が2.4%で、これには0.3%相当の団体信用生命保険料が含まれている。一方、住宅金融公庫の金利は同保険料を含まないで2.5%なので、金利は実質的にも公庫よりずっと低い。

◆JA貯金も伸びる 1月末残高速報

 農林中金が2月26日発表した1月末の残高速報によると、全国JA貯金の残高は76兆838億円で前年同月比の増加額は1兆5792億円、伸び率は2.1%となった。しかし、前月に比べると5967億円減少した。農作物販売代金の流入などがあったものの、公金や年金の流出などがあって減少した。
 貸出金残高は20兆7950億円で前年比の増加額は195億円。伸び率0.1%。昨年11月にほぼ前年並みにまで回復した増加基調がはっきりした。しかし個人向け住宅ローンの新規実行があったものの、農業資金や事業資金、賃貸住宅建設資金などが減少し、前月比では645億円減った。 (2004.2.27)



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