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営農指導強化 JAの農業戦略が不可欠 全中の検討会で議論始まる (3/8)

 JA全中の経済事業改革中央本部委員会のもとに設置された「営農指導事業検討委員会」の第1回会合が3月8日に開かれた。
 経済事業改革を実践するには、営農指導事業部門でも収支改善に向けて目標管理を設定するなど事業強化が課題となっていることから、今年から議論を進めることになっており、7月にも「営農指導強化基本方向」をまとめる方針。その後、基本方向を昨年12月に決めた「経済事業改革指針」に反映させ指針の改定を行う予定にもなっている。
 この日の会合ではJAいわて花巻やJA甘楽富岡などの営農指導事例が報告され、それに基づいて意見交換した。
 委員からは「JAには地域農業戦略をどうするかが問われている。営農指導事業がうまく展開されているJAはそれをふまえている」とまず地域農業戦略をJAが打ち出すことが重要との指摘があった。そのほか、販売と結びついた営農指導の展開の重要性も指摘された。
 課題としては、法人に対する営農指導の強化や、個別経営指導と集落組織指導との整理、マーケティングを基本とした営農指導員の育成体制などもあげられた。
 
■目標の設定と管理も課題

 委員会に提出された事例では、いずれのJAも「多チャンネルの販売ルート開拓と少量多品種生産」、「環境創造型農業の振興と地産地消など直接販売の拡大」、「生産農家形態別指導と販売方法の実施」など、それぞれの地域実態に合わせた農業戦略を打ち出しており、それに基づいて営農指導事業の目標をそれぞれ設定している。
 会合ではこうした地域ごとの農業戦略に基づく営農指導事業のあり方の重要性が指摘される一方、全国ベースでの課題設定も必要だとの指摘もあり「営農指導とは何か、をしっかり整理する必要がある」との意見もあった。
 JAの営農指導員は現在、全国で約1万6000人。営農指導費用は約1200億円で1JAあたり1億3000万円程度となっている。こうしたコストがJAのどの事業に反映されているのかの分析も今後の検討課題になりそうだ。
 次回は4月14日に開催される予定で課題別の対応方向と中央会、連合会との機能分担・連携なども話し合われる予定。 (2004.3.10)



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